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なろうジャンル再編

作者: 宮沢弘

 なろうのジャンル再編情報の続編が公開された。他の方も書いているので、駄文になるが。


 記憶で書くのだが、「恋愛」ジャンルの「ファンタジー」だったものが「異世界」になっている。ここで問題になるのは「異世界」の定義だろう。VRMMOのあっちの世界は異世界なのだろうか。「乙女ゲーム」が「恋愛」「異世界」のおすすめキーワードとなっている。これについての解釈はわかれるかもしれない。戦闘ゲームなら乙女ゲームではないから、そこで主眼にしているのが恋愛であったとしても「恋愛」「異世界」にはならないという声もあるだろう。だが線引きや認識の共有にはしばらくかかるかもしれない。


 「ファンタジー」における「ハイ・ファンタジー」と「ロー・ファンタジー」における「現実世界」基準の分類も、まだ混乱している。とくに「ロー・ファンタジー」の説明に「ファンタジー要素」という言葉が出ているのは問題だ。同語反復になり、なにも説明できていないのだから。


 「文芸」ジャンルは、私は興味がないものだからどうでもいい。ただ、「アクション」のおすすめキーワードに「異能バトル」と「ヒーロー」が含まれているのはいいと思う。だが、ここで少し問題になるかもしれないと思えることもある。「超能力」というものも世間一般の文芸においては存在する。では「超能力」は「異能」や「ヒーロー」としての能力に相当するのだろうか。もちろん相当する。だが、それではあっても「異能ではない。超能力だ」と言い張る例もあるかもしれない。「超能力」はおすすめキーワードではなく「公式キーワード」に含まれている。だが公式キーワードによる扱いは不明だ。それにより、超能力ものがSFに流入というか居座ることが懸念される。

 あるいは「アクション」界の住人が「異能」を拒絶することもありうるかもしれない。

 さらにあるいは、「異能」は存在しても「異能バトル」ではないという例はありえるだろう。では、それはどのジャンルが受け皿になるのか。おそらく安易に「SF」に流入というか居座るだろう。この点において、まだ不充分だ。


 「SF」ジャンルにもやはり問題が存在する。まず「VRMMO」が存在する点だ。これは異世界ではないのだろうか。転生や転移とは違うという声もあるだろう。仮に転生はなかったとしても、ここで「異世界転移」の説明が問題になる。説明はこうだ「主人公が何らかの形(移動、召喚、憑依等)で異世界への移動を果たしている作品」。さて、VRMMOの世界へのアクセスは、ログアウトできようとできまいと、どれかに相当するのだろうか。もちろん、相当する。形はどうあれ「移動」だし、弱く見ても「等」に含まれる。

 また、「SF」-「科学」のおすすめキーワードに「スチームパンク」が存在する点も気になる。「SciFi創作論」-「SciFiはどうやって生き残ったか」あたりに書いたが、現状のスチームパンクは「なんちゃってSF」や「ファンタジー」に回帰している。

 さらには超能力がどうなるかも気になる。先にも書いたが、超能力は異能力ではないと言い張ったり、超能力はあってもバトルはないと抜けようとることも考えられる。

 超能力にせよスチームパンクにせよ「SF」-「科学」における「何らかの技術、理論に重きを置いた小説。」による縛りがあると思われるかもしれない。「何らかの」という言葉をつけざるをえないのはわかるが、それによって「なんちゃってSF」や「ファンタジー」が依然としてSFに居座る可能性を多いに残している。技術、理論はでっちあげればいいからだ。ここは一つ、「SF」という大ジャンルそのものに、「論理的思索に基づく」という文言を入れて欲しいところだ。

 もちろん、それを行なえば「SF」ジャンルからは「VRMMO」と、場合によっては「パニック」が排除される。もともとが思索にもとづくものではないのだから、何も困らない。


 登録必須キーワードに「異世界転生」、「異世界転移」が含まれることになった。しかも「運営対応の対象になる場合がある」という強いものだ。

 だが、異世界転生、異世界転移を受け入れるジャンルは存在しない。もちろん、異世界転生、異世界転移という条件であれば、「恋愛」-「異世界」も、「文芸」-「アクション」における「異能バトル」も、「SF」-「VRMMO」も、あるいは他のものもジャンルとしての受け皿にはなるだろう。

 これらのキーワードによってジャンルのランキングからは除外されるとのことだが、ここでもう一声欲しい。「異能」、「異能力」(異能力バトルではなく)、「超能力」、「VRMMO」も登録必須キーワードあるいはおすすめキーワードと同様に扱い、かつそれらの受け皿となるジャンルを用意するというところまで行って欲しい。ジャンル名は「妄想文学」、「電波文学」あたりでいいだろう。いや、だめだ。それでもジャンル名が意味を持ってしまう。ならばこれはどうだろう。「文字列」というジャンルだ。

 そういうわけで「文字列」ジャンルの新設を希望する。


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― 新着の感想 ―
[一言]  お邪魔致します。  超能力って本当にSFかどうか、結構微妙だと思います。  いつも思うのが、異能、とか霊能力と超能力はどう違うのか。霊能力は魔法だとしたら、超能力だって魔法じゃないのか、…
[一言]  自分は関係ないと傍観を決め込んでるんですが、読者の取り合いとか、特定ジャンルの独立性の主張とかをする人の立場からすると、今件は自分が感じてる以上に大きな動きかつ機会なんでしょうね。宮沢さん…
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