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六丁目公園の鳩

作者: 青式スミス

 私の趣味は、公園に行くことである。美しい植物だとか、池に鴨がいるような趣きのある風景に出会うことができるからだ。


 そして、私はそういった自然を楽しむ公園だけでなく、子供向けの遊具が置いてあるような公園も好きだ。たくさんの子達が楽しそうに騒いでいる姿を見るとの楽しかった日々を思い出し、私は少し幸せな気分になれる。

 近年、こうした子供が公園でガヤガヤと騒ぐことを快く思わない人も多いと聞くが、私は寧ろ大歓迎だ。公園で大声で野球をしてもらっても、ホームランボールで家の窓を割ってもらっても構わない。


 私は、全国の名の知れた公園、そして近所の児童公園は行き尽くした。しかし、まだ行ったことのない公園が家の近くにある。

 そこには、特に美しい風景や、遊具は無い。だから、わざわざ訪れる理由も見当たらなかった。だから、その公園には生まれてから一度も行っていない。

 その公園の名は「六丁目公園」と言う。六丁目にあるから六丁目公園である。


 私は寝間着から、Tシャツと長ズボンに着替え、部屋の照明を落とし、玄関の扉を開けた。今日の快晴の空はとても眩しく、思わず目を閉じてしまった。

 六丁目公園は自宅から歩いてたった5分程のところにある。町の集会所の横にある、小さな公園だ。

 私は公園の入り口にある自転車の侵入を防止するためのものであろう柵をよけて公園に入った。


 そこにはベンチに座っている、ボロボロの服を来た男性がいた。そして男性の周りには、沢山の鳩が集っていた。どうやら男性が鳩たちに餌を与えているようだ。

 その餌は人間が食べるお菓子だった。鳩の体にはきっと良くないものだろう。それでも鳩たちは貪っていた。

 ボロボロの服でも、鳩たちの健康に悪いものを与えていても、餌を与える彼は鳩から見たらヒーローなのだろう。

 一瞬彼に注意をしようかと考えたが、鳩に餌をあげてはいけないといった立て看板は見当たらないし、鳩が喜ぶのだったらそれでいいかと思い、何も言わないことにした。


 私はその、男とその周りに群がる鳩がいる光景を見たのみで六丁目公園を去った。私は今度、六丁目公園で鳩に餌をあげようと思う。料理は得意なつもりだ。

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