084 チビは古本屋でしか本を買えない
面白い人間だと思われないようにするのは一苦労である。チビは少々アホの子を患っているので、自分は真面目にやっているのに、人様には腹を抱えられて笑われるケースがこの短期間で何度もあった。チビは暇を見つけてはストレス解消に大声を出そうとしているのだが、マラソンで走りながら大声を出している様は他の人から見れば奇声を放っているように思えるらしい。よって、チビは人々の笑いの種となり、笑顔を届けるサンタクロースに変身してしまうのだ。しかし自分は天然だとは思っていないし、絶対に天然じゃないと確信を持って言えるから、どうすれば面白くないようにするかを熱心に考えていた。だが、その熱心に考える様も笑われてしまうのだからもはやどうしようも無かった。
別にチビは頭が悪い訳では無い。本をたくさん読んでいるので、他の人よりも知識は豊富で人々が知らない言葉をいっぱい知っている物知りさんだ。だからこそなのかは存じあげないとしても、やはり博識な人間は頭のネジが一本抜けている節があるので、恐らくチビもそのタイプであろう。そのおかげで、チビはおかしな人間だと思われているので勉強している意味はまったくないのである。だがそれでも人生は日々勉強だと思っているだけでも大分人生の厚みが違ってくるので、たとえ人々から変人扱いされようとも本を読んで知識を身に着ける作業に終わりなど無い。
オフシーズンは練習漬けにすると決めたとしても、必ず読書をする時間だけは設けていた。それだけ、本が与える特殊効果は人生を薔薇色にしてストレスを失くすためには重要な存在なのだった。本をパラパラと読むだけでも、ストレスが解消されると医学的に証明されているのだ。だったら一日一日を満足するためには読書が必要となってくる訳で、チビは毎日本と睨めっこをしているのだ。しかも今年の年俸は僅かに120万円だけである。そんな低年俸ならば本を買うのも当然ながらブックオフになってくる。本当は新書を書いたのだが、新書はあまりにも高すぎる。しかもチビは小説よりもどちらかと言えばエッセイを読むのが好きなのだ。読書家の方ならお分かりいただけると思うが、小説1冊よりもエッセイ1冊の方が明らかに値が張る。1000円や2000円のエッセイなどこの世には珍しくもなんともないので、チビの薄給ではとてもじゃないが買えない。よって、チビは1軍選手として活躍した際には必ず新書を買ってよもうと決意するのだった。




