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063  誰もが最初は素人から始まる


 結局、今年のチビは2軍でフルシーズンを戦い抜いて打率.201とぎりぎりのラインを到達する事に成功した。野良猫を擬人化させた選手がここまでの打率を残せるとは誰も思っていなかったようで、意外にもチビは良くやったと言われていた。しかし、それはあくまで猫としては良くやっている方という意味なので深みを追及するチビに言わせてみればとても納得できる数字じゃなかった。それにヒットのほとんどは単打で、ホームランなど1本も打っていないのだから反省点だらけである。もう少し長打が打てるようになれば万々歳なのだが、もともとが猫なので生まれ持ったパワーなど無いに等しい。ということは握力の低い選手がしているように、ホームランを打つ技術とタイミングを掴めるように日々の練習を怠らない事が大事だと、忘年会の席でミラベルに話しかけていた。ミラベルもそこまでパワーは無いのでホームランの数は少ないが、それでも全盛期の頃は2桁ホームランを放った実績の持ち主であるので、チビの意見には納得した様子で首を縦に振っていた。


「確かにそうね。パワーの無い選手はタイミングを計らないといけないわ」


 まさしくその通りだと言うのだ。パワーの無い選手は技術で腕前をカバーするしか方法が無いのだと。無論、最初から技術がついている訳ないので、これは毎日の練習を積み重ねてくれと、ミラベルが気持ちを込めて言ったのかと思うチビだった。野球だろうがどんなスポーツでも当たり前だが、皆誰もが最初は素人から始まる。素人のくせに守備やバッティングがプロ以上なんて人間はこの世の何処にもおらず、どれだけ練習量が大切かは終わり頂けた筈だ。チビもまったく才能が無い素人からスタートして、2軍で打率.201の成績を叩きだせたのだからそれ相応のヒットを打てる技術は習得した訳である。まだまだ粗が多いのは自分でも分かっているが、それでも昔と比べては明らかに技術が向上しているのがあってか多少の満足感はあると言っても過言ではない。



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