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053  いじられ役


 チビという選手はその小柄な体型と可愛らしい猫耳を立てている事から、他の選手から弄られるポジションを確立していた。チビにとっては迷惑極まりないおふざけをされるので、あまり良いようには思えないのだが、それでも同僚たちはチビの事をまるでマスコットキャラクターのように扱うのだから困りものだ。特にチームでナンバー1とナンバー2を争う程のお調子者がチビの事をお気に入りにしていた。それは先程、AKIRAの悪口を言って反感を買われていたあの2人だ。


 1人はワニを擬人化させて顎の力には自信があるワニドメ。しかし自慢の顎の力はどうにも野球では発揮出来そうにない。そしてもう1人は熊を擬人化させたクマートンという助っ人外国人だ。ホッキョクグマを擬人化させているので自慢の怪力を存分に発揮して2軍の帝王として活躍を見せている。打率は3割代の高アベレージを叩きだし、ホームランは30本を超えている。だが、そんなクマートンも1軍に昇格すれば、打率2割前半の単打ヒッターになるのだから世の中は甘くない。1軍で活躍するには少なくとも打撃だけでは無く守備にもある程度の力を求められる。しかし、クマートンという選手はレフトしか守れないという体たらくを見せており、守備もあまり上手くないのが現状だ。


 2人共2軍の選手には変わらないが、それでもチビの成績とは天と地ほども離れた好成績を残しているし、それでいて年齢もプロ野球歴も向こうが上なのでとてもじゃないが反論できない。チビが憧れてやまないAKIRAという選手はたとえ先輩が相手でも間違った事を言っていれば反論するような強い精神力を持っていたと言われているが、生憎そんな強気な心をチビは持ち合わせていなかった。



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