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052  意地悪な先輩二人


 獣の遺伝子を持つ擬人化された動物達が野球選手となる事で、日本プロ野球の技術は著しく上昇した。先発投手は150キロの速球を投げる投手が当たり前のように存在し、打者では70本近くホームランを放つ選手もいる。しかしそれでも4割打者が輩出されていないのは謎である。技術は発展したのはそうだが、それ以上にプロ野球選手の数が激増したにも関わらず未だに4割打者が出てこないのだ。20世紀に伝説のメジャーリーガーである鬼崎喜三郎が到達したのを最後、もう200年近く4割打者は現れないのだ。これではあまりにも寂しい。しかし野心深い者は前人未到の記録を目指して切羽琢磨するだろうが、それでも4割の壁には届かない。長い間、1軍で安打製造機として有名だったミラベルも3割後半がやっとの状態で、今では2軍生活を余儀なくされている。やはり選手が衰える理由は動体視力やスイングスピードの劣化などではなく、日々進化する野球に追い付けないからこそ成績が低下する可能性が限りなく高い。だからいくら昔の自分に戻ろうと思っても、その考え自体が間違いなのだ。しかし、自分の技術を更に向上させようとする意欲さえあればきっと打撃力は上がってまた1軍で活躍する時が訪れるだろう。その時がとても待ち遠しい。


「AKIRAさんは21世紀で最高の5ツールプレイヤーだから今でも十分通用しますー!」


 チビは猫耳をピンと立てて大きな声を出しているつもりだった。しかし猫の大声などたかが知れてるので、先輩達に頭をポンポンと叩かれてからかわれていた。


「おおヨチヨチ可愛い猫ちゃんでちゅね」


「ハハハ。怒っても全然怖くないよ」


 ワニを擬人化させたワニドメと、クマを擬人させたクマートンはゲラゲラと笑いながらチビの事を子ども扱いしていたのだった。



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