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050  性欲を抑えるのも野球選手として欠かせない素質


 食事を終えると、今度は二人で秘密の特訓をしていた。女子と男子が二人っきりで屋内にこもってする事は一つしかないかもしれないが、そんな夢物語が当たり前のように訪れていては何も面白くないし、まず有りえない話しだ。二人はプロ野球選手なのでこの場合は野球の練習という訳である。


 二人は二軍の屋内練習場に来ていた。当たり前だが二軍の選手はチビとミラベルの他にはいないので二人っきりという事になる。そして、チビは色々な意味で緊張して喉がカラカラに渇いていた。前述にも触れたが少々アレな性的妄想もしてしまったので男性器の先端が少々濡れてしまっていた。これではハッキリ言って練習に集中出来ないのも無理はない。しばしば、ミラベルにしかられて説教を喰らっていたのだが、その説教さえもチビにとっては興奮材料となっていたのは内緒だ。このように、チビはまるで男子中学生のように異常な性欲をしているのだが、男にとってはこれぐらいが元気のある証拠なので何の問題も無い。妄想だけならば罪にならないので、脳内であればいくらでも破廉恥な行為をしても全く構わないのだ。


 だが、チビにも野球選手としての意地があるので時間が経過していく内にそういう性的な考え方は無くなっていた。完全に消えた訳ではないが、それでも脳の奥隅にしまって野球の練習に集中出来るだけの余裕を確保出来ていた。いくら二軍の選手だとろうとプロ野球選手には違いないのでこういった切り替えも時には重要になるのだ。そして二人は何の練習をしているのかというと、ただひたすらに素振りをしているだけだ。屋内にいるのは外が思いのほか寒いだけで、特殊な練習施設を使って何かをするという訳ではない。ミラベルに見られながら必死に素振りをするだけである。


 しかし、ただ素振りをするだけは技術が向上しないのは分かりきっている。だからこそ、隣でミラベルは一軍投手の特徴を喋りながら生の試合観を伝えていた。隣のミラベルからは二軍では到底想像出来ない球種を持っている投手が次々と挙げられていた。たとえばホームベースに突き刺さる程の変化量を持ったツーシームを投げる選手や、某野球ゲームのように真横に変化するスライダーを投げる投手がいたりと、常識を疑う事実が次々と飛び出してきたのだった。




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