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049  努力したからと言って必ずしも成長する訳ではない


 こうして、ミラベルからモチベーションを保つ極意を教わったチビは翌日の朝からトレーニングに励んでいた。マシン相手に打撃練習を何度もしてミートポイントをあげようと画策しているのだが、どうにも技術が上昇しているようには思えない。それでも球を打ち返すというのは最高のストレス解消になるのでチビはがむしゃらにマシン相手にヒットを量産していた。このように練習だけなら一流選手の如く活躍出来るのだが、肝心の試合では中々そうはいかないという典型的な二軍選手のパターンだ。


 野球選手には、心技体の三つが重要とされているがチビはどれも達成できていないのだから中々芽が出ない筈だ。彼の尊敬しているAKIRA選手はこの三つの中でも特に精神が野球選手として重要になってくるのだと説いていたが、AKIRAは心技体の三つを完璧にこなしていたからこそ、そういう発言が可能だったのだ。しかし、今のチビは精神もボロ雑巾のように頼りないし、技術に至っては二軍選手の中でも最下層であり、体力なんてこれっぽっちも無い。まさに凡人を極めているのだ。


 二軍戦で打率が一割なのはチビを含めても二人しかいない現状だ。他の皆は二割から三割を打っていて中には四割を超えたハイアベレージを誇る選手もいる。そういうハイアベレージ選手に限って一塁しか守ることしか出来ない中途半端な単打ヒッターだったりするので中々一軍には上がれない。もう少し頑張って外野手のポジションを掴み取れば夢の一軍も夢ではないのだが、彼らは守備が壊滅的に下手なのでそれも無理な話しだ。それ故にいつまでも二軍の帝王という何一つ誇れない肩書を背負って野球をそているのだ。そんな選手の仲間入りには絶対になりたくないと、チビはがむしゃらに練習に励むのだが、中々上手くいかないのが現状である。




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