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046  1軍でヒットを打つ難しさ


 2000本安打を放った伝説の名選手が目の前にいるというのに、意外にもチビは落ち着いていた。そこまで緊張している訳でもなく、かといって緊張していない訳でもない。この感覚をどう表せばいいのか分からないが、とにかく一チームメイトと焼肉屋に行っているという感覚があった。上司と一緒に嫌々飲みに行くという憂鬱な気分など無く、ひたすら楽しい感じではある。しかし、ずっと焼肉を食べていると喉が渇いてくる。勿論、ここは店なので水はあるのだが飲み過ぎて無くなってしまった。チビは店員に声をかけるのが苦手なタイプなのであまり自分から声を出したくなかった。それにさっき、店員とは色々とあったので話しかけるのが非常にきまずい。だから少しの間我慢する事にした。ああ、店内に自動販売機があればどんなに楽だろうとチビは内心で思っていた。


「ミラベルさんは凄いですね。2000本安打を放っても現役を続けられるなんて」


 純粋に尊敬して褒めていた。なぜならば、1軍でヒットを打つだけでも凄いのに、それを2000回も重ねるなんてとんでもない偉業だと感じるからだ。自分なんてまだ1軍にも出場した事ないし1本もヒットを打った事が無いペーペールーキーだから普通に憧れてしまう。それにミラベルは容姿端麗のムチムチボディなので目線に入っているだけでもうチビはたまらなく興奮していた。それにどことなく良い匂いがするのが余計に色気を増している要因だ。


「私は野球が好きだから。引退なんてとてもじゃないけど考えられないな」


 ミラベルはとても若くて美しい。チビにとっては理想のお姉さんキャラなので、もう声を聞いているだけで鼻血が出そうだった。


「それでも1軍の栄光を知っているのに、2軍で頑張れるのはモチベーションが高いからでしょうね。僕がミラベルさんの立場なら絶対無理だと思います」


 そう言って、何故か落ち込むチビだった。



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