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004  某有名ファミレス店


 人間ではなく、驚異的な身体能力を持つ擬人化された動物達がプレーする事により、野球の興行収入は劇的に変わった。それこそ日本で最大の娯楽スポーツにランクインし、今ではサッカーよりも野球熱が高いぐらいに。


 だからこそ、2軍戦でさえも大勢のファンが押し寄せてくる。球場は常に満員であり、これには2軍選手でさえも緊張せざる終えないのだ。


 そんな中で何とか結果を出したチビとミラベルの二人はご機嫌な様子で飯屋に行っていた。そこは某有名ファミレスのチェーン店なのだが、二人はちゃんと変装をしていた。チビは猫耳を帽子で隠し、ミラベルはサングラスで顔を隠している。


 そして変装が効いたのか二人は特に誰からも指を差される事なく、一目のつかない場所に座って、メニューを手に取る。たとえ二人は元が犬と猫だったとしても食べる料理は人間と変わりはしない。


「何がいいかしら」


「そうですね……僕はお肉が食べたいです」


 そう、彼はまだ人間で言うと12歳程度の少年なのでお肉が食べたい年頃である。元が猫だったとしても魚を食べたいという訳ではない。猫の時は人間の家から漂う秋刀魚焼きの匂いに惹かれて「いいなあ」と思いながら玄関先に立っていた事もあるが、今は生憎そうではない。ちゃんとお給料が発生して、空腹を我慢せずに秋刀魚を食べる事も出来るのだ。


「いいね。肉を食べる男の人は好きよ」


 この一言に、チビの顔は熱くなる。


「そうなんですか!」


「ええ、そうよ」


 そうだというのだ。ミラベルは。こうして彼は肉料理を注文して、ミラベルに雄姿を見せる事にしたのだった。



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