表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/107

003  憧れ、尊敬、恋心


 チビとミラベルは共に内野手だ。チビが二塁手で、ミラベルは遊撃手。そんな二人がこれから2軍戦と言えど同じフィールドで共に力を合わせて闘う。特にチビは緊張してゲロを吐きそうなぐらいだった。なんせ、テレビで見ていた憧れの選手が目の前にいるのだから。しかも相手は超絶美人で、チビのタイプである。


 もはや恋愛的感情を抱くのは時間の問題だった。だからと言って、それを伝える勇気も努力も無い。ましてや1軍経験の無い自分が告白していい相手ではないと、自分自身がよく分かっていた。だからこそ、敢えて口に出す事は無い。


「いよいよ。試合が始まりますね」


 チビは仕事の話しをするばかりだ。


「ええ。今日は私が1番バッターで、チビ君が2番ね」


「僕、バントは得意なので、ミラベルさんが塁に出たら確実に送りますから!」


 そうなのだ。チビが唯一他の選手より優れている点はバントである。それこそ2軍戦だけだが、チビのバント数は両リーグトップである。猫は小技が得意というのが有利となっている。


「へえ、そうなんだ。それじゃその時はよろしく頼むわね」


 ミラベルは、可愛らしくウインクしてきた。それを見たチビはとたんに卯らしくなって頬を赤らめて、猫耳をピクピク動かす。


「はい!」


 満面の笑みで微笑み返した。


「お利口さんね」


 今度はミラベルが頭を撫でてきたではないか!

 これはもうタマラナイ。好きな人に頭を撫でられるなんて、こんなに嬉しいkとは無い、しかも猫は頭を撫でられるのが好きなので余計に幸福感を感じる。


「いえいえ、そんな事はないですよー」


 だが、声が上ずっていた。


「それじゃ、守備に就きましょうか」


 こうして二人は守備位置に向かった、試合は着々と進んでいき、1番バッターのミラベルがヒットを放ち、2番のチビがバントをするという約束が実現された。しかも試合にも勝って上機嫌な二人である。


 そんな二人は勝利の余韻を感じるかの如く、飯屋に行く約束をした。誘ってきたのはミラベルの方で、無論チビは勢い良く首を縦に振るのだった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ