表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/107

028  独自の哲学


 誰にでも心の内には哲学が存在する。それは幼稚園生だろうが、総理大臣だろうが関係ない。人生には自分なりの哲学が必要であり、実存主義の考え方が理想とされる。実存主義を平たく言えば、自分が主人公であるという考え方が真理だという事だ。すなわち、人は誰しも生まれた時から主人公であり、人生は自分の力で切り開かなければならない。これはどんな人間にも共通していえる哲学だ。


 チビが尊敬しているAKIRAは哲学者としての一面を持っていたので、野球に自分流の哲学を混ぜ込んでプレーを続けていた。チビが思うに、野球人として成功するには独自の哲学が必要だと感じている。


 目の前で打席に立っているミラベルだって、きっと心の内には自分だけの考え方を持っている筈だ。他人の話しには決して惑わされず、自我を保っていられたからこそ2000本安打という記録を打ち出せたに違いない。


 だからチビも何も考えないのではなく、意識的に野球をする事で更なる高みへと目指していた。今でこそ打率はあまり良くないが、きっと事態は向上すると信じている。そう考えるだけでも大分精神的に違うのだ。



 *****************



 強烈な音が聞こえたと思うと、打球はセンター前の転がっていた。そう、ミラベルがヒットを打ったのである。いつものように美しいヒットであり、チビも内心ホッとしていた。勝負の世界だからこそ、尊敬する人にも結果を残してほしいというのが本音である。


「よっし。ゴリスケも続けよ!」


 監督がそう言って声を出していた。


「う……うん」


 だが、ゴリスケという男はプレッシャーに弱いので応援は逆効果になるのだ。監督の一声が彼の結果にどうつながるのか、見物である。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ