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025  性欲との闘い


 犠牲バントを決めたからと言って安心は出来ない。今度は試合展開に注目していかないと集中力が途切れてしまう。ここで『今日の晩御飯何をたべようかな』とか思うのはプロ野球選手として失格だというのも彼自身は知っている。それでも、今まではたかが2軍戦と舐めてかかり、野球とは関係ない事を自分の打席以外では思っていたが、AKIRAの本に書かれていた言葉を読むと、それではいけないというのが思い知らされた。


 野球をしている時は、どんな時でも野球の事を考えているのが当たり前であり、そうする事で少しでもパニックを押さえるのが手段の一つだと書かれているのだ。大のAKIRA好きである彼は「よし、自分もそうしよう!」と心に決めて、ここ最近は野球の事を考えて集中力を持続させていた。するとそれが功をそうしているのか、今のところ3試合連続でヒットを打っている。今まではヒット1本打つだけで難航していたにも関わらず、集中力を持続させるだけでヒットがポンポン打つようになっているのだ。


 しかし、この程度で満足する彼ではない。2軍戦なのだからヒットを打つことは当然でありそうしないと1軍への道も開かれないのだというのは知っていた。なのでこれからもAKIRAの言葉を胸に秘めて目の前の試合展開に集中すると決めるのだった。


 そして、今打席に立っているのは3番バッターのミラベルだ。彼女は1軍だけで2000本安打を放った超人的な人物である。お客さんから見れば「2000本安打打ったの。凄いね」の一言で終わりそうだが、同業者にとっては2000本を放つのはそれこそ化け物だと思うぐらい有りえない事なのだ。


 そんな選手が2軍の試合に出場しているのもまた有りえない事であるのだが、敢えてそこは気にしないでおく。そうしないと余計な雑念が入ってしまい集中出来なくなってしまうのだ。ただでさえ、恋愛対象のミラベルが打席に入っているという事実がたまらないというのに。


 こんなところで性欲センサーをビンビンモードにしてしまっては、試合に集中できなくなってしまう恐れがあるため、チビは必死に脳内からミラベルのブルマ姿を消し去ろうと躍起になっていた。




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