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017  哲学を学ぶ


  しかし、ゴリスケの心配ばかりしていられない。チビも人の事は言えないぐらい成績が落ち込んでいる。2軍で1割程度しか打てないバッターなど、どうあがいても1軍でも通用しないに決まっているからだ。なんせ、2軍で3割バッターのミラベルですら上がれないのだから、どうあがいても今のままでは無理に決まっている。


 なので、今はヒットを打つ事を最優先に考えていた。しかし打ちたいと思ってヒットが打てる程、プロ野球は甘くはない。どのピッチャーも緩急の激しいボールを変幻自在に投げてくるし、アマチュア時代とは全くレベルが違うのだ。


 例えるなら、大学で完全試合を何度も達成した投手が、プロの2軍で炎上するぐらい落ちぶれる。チビもアマチュアなら強打者としてヒットを連発する能力はあるだろう。しかし、彼が籍を入れているのはプロの世界なので、いくら草野球でヒットを打とうが意味は無い。


 プロの世界で上を目指す必要があるのだ。


「どうやったらヒットが打てるようになるんだろう」


 チビは寮に帰ると、鼻と口の間でシャーペンを転がしながら机に向かっていた。意外かもしれないが、彼はどちらかと言えば頭脳派なので体を動かすより、頭で考える方が性に合っている。


 そして彼の勉強机には野球関連の本がビッシリと詰められている。そのほとんどがべーブルース、タイカップ、鬼崎喜三郎、AKIRAなどのそうそうたるメンバーの本だ。チビは偉大なる彼らの技術を吸収して自分の物として使おうと画策しているのだ。と言っても、直接的な意味合いではない。ここでいう技術とは野球に対する真摯な考え方……所謂、彼らの哲学だ。


 チビは彼らの哲学を勉強する事で、偉大な野球選手に少しでも近づこうとしているのだった。














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