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104 努力しながらストレスを解消していく
こうして、寮に帰ったチビは面白いように素振りの練習が捗っていた。いつもならただバットを振るだけの行為に快感など感じないのだが、今回ばかりはストレス解消になっていた。なぜならばバスの中でゴリスケとあのカンガルーを擬人化させた選手に囲まれて、寮長の悪口を延々と聞かされていたから、それなりのストレスを感じていた。なので、本来はストレスを感じる筈の素振りに対してストレス解消の捌け口を感じていた。練習がストレス解消になるのだから、こんなに素晴らしい事は無いと、チビは優越感に浸っていた。日常の中に感じたストレスを練習で発散する。これは明らかに一石二鳥の行為だ。チビはそれを感じていたので、これからの練習をストレスの捌け口に利用していこうと考えたいた。