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整理



コンビニの中へ

入った聡美が

膨らんだ

レジ袋を下げて

戻ってくる



「気分よくなった?」



「…ん」



「やっぱりホテルで

少し休憩した方が

いいわよ


充電器 買ってきた

後 ドリップ式の

珈琲もね」




エンジンを

掛けると

聡美がハンドルに

手を掛け



「運転 代わる?」



「…運転出来るのか?」



「出来るわよ

免許証も あるしね」



ショルダーを

手の平で 叩く





免許証まで

ロッカーに

入れていたらしい




国道から

少し外れ

裏道に入ると

新幹線の下線沿いに

ホテルが

密集している



どの建物も

密接していて

車道が 狭い



ぐるりと一周し

道路側に面する

一軒だけ離れた

ホテルに

車を入れた



平日の昼間にも

関わらず

駐車場のカーテンが

何箇所か

閉まっている



開いた場所に

車を停め

駐車場に指定された

部屋番号を

確認し



ボタンを押すと

自動的に

カーテンが 閉じた




入口と書かれた

ドアを開けると

細い通路を通り



設置パネルから

部屋番号の

ボタンを押し

そのまま

突き当たりの受付で

鍵を受け取る




エレベーターに

乗り込み

降りた階の

廊下から

点滅する

部屋番号が

見えた




戸惑う事なく

スムーズに

部屋へ向かう

聡美の後を




ただ

着いて歩いていた




ドアを開けると

黒い床が

印象的で

床を見ながら

部屋に入ると



黒いフローリングの

床が広がり

横長の部屋が

一望出来る



右側奥に

巨大なベッドがあり

中央に一段

段差をつけた

畳みが敷いてある



落ち着いた

旅館のようで

和風造りの座椅子に

腰を降ろすと



黒いフローリングが

漆塗りの床に見え

意外な演出に

一役買っているようだ



和室に合う

立派なテーブルも

部屋に合わせて

横長で



置かれた座椅子だけが

対面ではなく

横にふたつ

並べてある




壁側に巨大な

液晶テレビが

埋め込まれ




座椅子に座り

テレビを

鑑賞できるように

設置してある



のんびりと

くつろげる空間に

驚きと感動が

押し寄せ



今時のラブホテルが

これほど

趣向を凝らしてしる

場所だとは

考えもしなかった事を

悔やんだ




妻と知り合い

7年の月日が

過ぎた



1DKの狭い

俺の部屋で

初めて

結ばれてから



何度

体を重ねただろう



狭いベッドで

喘ぎ声を押し殺し

隣人に

気を使いながら

抱かれる妻は

どんな思いで

いたのだろうか



唇を噛みしめ

髪を揺らし

反り返る

妖艶な妻の姿が

脳裏に浮かび




……溜息を漏らした




テレビの電源を入れ

報道番組を探す



昼間の

テレビ番組は

再放送のドラマや

新番組の告知や

洋画ばかりで



情報番組が

かろうじて一局

放送している

だけだった




新聞のテレビ欄を

コピーした紙が

部屋案内の中に

挟んであり




夕方の

報道ニュースまでに

何箇所か[N]と

書かれた

数分間のニュースを

探し出し

印を書き込んだ



……

殺人事件


指名手配中の

容疑者による

自殺の真相




特集までは

組まれなくても

報道番組として

充分 話題性は

あるはずだ




とにかく

放送されるまで

待つしかないだろう



セカンドバックから

中身を 取り出し

テーブルに

並べる




煙草に火を点け

くわえて

腕を組み

眺めていると




ベッドサイドの

コンセントで

携帯電話を

充電しながら



ベッドに寝そべり

携帯をいじっていた

聡美が 携帯電話を

閉じた




「珈琲 飲む?」



「……ん」




ベッドから

降り立つ聡美が

テーブルを

見ながら




「何が始まるの?」



愉快そうに

笑った



……複雑に

仕組まれた




多数残された

疑問




解けない

パズルを

解くには




ひとつづつ




解明するしか

答えに

辿り着けないだろう




すべてに

疑問を 投げ掛け

入り組んだ

編み目を

解くしかない




……さて

何処から

解くべきだろうか


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