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選抜者



【八千万】



今 現在

俺が

抱えている

負債金額




〔借金〕




多村 雅一

35歳

会社員



〔家族構成〕


妻 真由美

32歳

娘二人



現在

金銭トラブルの為


真由美の実家へ

避難させている


現状




現在



独身者の

社員寮で

暮らしている




家族と

逢える日は



よくて

月に一度



唯一


妻から

届くメールが

家族を繋ぐ

連絡手段




そんな暮らしを



後 数年

続けなければ

ならない




社員寮とは

言え



新入社員の

若者が

多い



既婚者である

多村は

事情考慮の上

異例 入居者



早く言えば



社員全員

多村の事情を

黙認し



後輩達にまで

無言の同情を

買う羽目に

なった



25日



給料明細書を

確認しながら

ATM機画面を

操作する



振込まれた金額を

金融機関へ

返済振り分けすると



残金 表示は



【三千円】弱



多村は

重苦しい

溜息をついた




残業や

休日出勤を

補って得た

給金




それでも

支払えるだけ

まだ

マシなのだろう




家族の協力が

なければ

実現は しない




給料日にだけ

許された

贅沢



妻への

電話




一ヶ月に

一度だけ




妻の声が

聞ける



数回コールし

妻の声が

した



「パパ?」



返答せずに

淡々と言葉を

告げる



「今月も仕送り

…出来そうにない」


「気にしないで パパ

こっちは みんな元気よ

パパ ご飯食べてる?」



携帯電話を

持つ手が

震え



鼻柱が

熱くなる



「……ごめんな」



微かに

妻の笑い声が

聞こえ



「パパ 頑張ってるよ」



電話越しに

抱きつかれた

気がした



妻と数分

言葉を

交わした後




自分への

褒美として




引き落とした

二千円の中から

自動販売機で

煙草を一箱

購入した




一ヶ月ぶりの

喫煙




深く

深く

吸い込み




煙草の匂いを

堪能しつつ

煙りを

吐き出し




車の鍵を

差し込むと




【ガツン……】




後頭部に

鈍い痛みが

走り




………記憶が途絶えた



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