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セシルside
クリスが同じクラスにいるとわかったとき
「ふふ……ははは!」
不思議となんとも思わなかった。教室に入って視界の隅に映り込んだ時も、ホームルームの時も
「セシル・ヴェイロン!」
クリスは私を見て嬉々とした笑みを浮かべ近づいてきた。でも、何も感じない。
(私ってなんでこんな人のことが好きだったんだろう)
それからクリスは私の前で止まり拳を振り上げると
「出来損ないのゴリラ!よくも俺の道具どもを蹴り飛ばしてくれたな!」
近くだから普通に話せば聞こえる距離だというのにクリスはわざとらしく大きな声で怒鳴った。まるでそうすれば婚約パーティーの時みたいに恐怖し震えるとでも思ったのか。ただ
「今一度この僕直々に調教してやる!王族に楯突くことがどういうことかをな!」
うるさいなぁ。クリスは振り上げた拳を私へ動かした。とそれと同時にクリスの背後にいたレントが動き出したので私は目で
(任せて)
と伝えた。するとレントは頷き動きを止めたので「ありがとう」と微笑んでからクリスの拳を受け止め
「やれるものならやってみなさいよ!」
左こめかみに右のハイキックを命中させた。
「っ……」
私の蹴りを喰らったクリスは白目を向くと
「くっ」
膝から崩れ落ちて倒れた。
「うるさいのよ」




