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ざまあside
蹴られた。この僕が。今まで人生で一度もぶたれたことなんてない。
(父上にもぶたれたことないのに!)
バカで無能で僕が捨てた女しか婚約者にできないようなブサイクで、僕の邪魔ばかりするゴミ。
「くっ……いつもいつも僕の邪魔をしやがって、愚弟の分際でぇぇ貴様ァァ!!」
出血する鼻をハンカチで抑えつつゴミ(レント)を睨んだ。
「あ?」
が、ダメだった。
「っ!」
婚約パーティーでのことが頭をよぎり目を逸らしてしまった。決して臆したわけではなかったが目を逸らしたという事実が屈辱的すぎて僕の中の炎がさらに燃え上がった。
(くそ!あいつは無理だ!あいつ以外の僕にビビってるヤツを標的にして)
レントに怒りを爆発したら容赦なく殴られると思った僕はそれでも怒りだけは発散したくてレント以外の標的を探した。
(いた)
そして見つけた。僕のことを一番怖がっていて泣きそうになるといい表情を見せてくれる相手
(ふふ……はーははは!)
セシルがいた。
(目にもの見せてやる)




