ルイーズside
幸か不幸か私はレントと同じクラスになってしまった。自分を含めた全てを思い通りにしたい私にとって天敵となる存在ーーレント。
「えー、それでは最後に三週間後のダンスパーティーについてです。場所はダンスホールで、毎年のことだから知っていると思いますが」
だからイライラする。なのに自然と視線はレントにいってしまう。
(可愛い……)
嫌い!と思う反面で机につっぷして眠るレントを愛おしいと思ってしまう。
「っ!」
常にコントロールする立場でいたいという願望とレントへのどうにもならない思いーー真逆の願望と思いが私の中で対立し
(ああもう!)
決着がつくことはなくずっとモヤモヤしたままいつまでもはっきりしない思いに私はイライラしていた。それによく見ればレントは寝ていなくて横目にセシルーーあの女をずっと見てる。
(なんなのよぉ)
そして何より私をイラつかせたのは雄弁に語るレントの視線だった。
"俺はセシルに夢中だ!"
と言わんばかりにじっと見続けていた。
(私をみる時の目と全然違うじゃない)
そんなイライラする私に
「ルイーズ。ああ我が愛しのルイーズよ!君と同じクラスしかも隣の席になれるなんてこれはもう運命としか言いようがない!今すぐ僕と結婚しようではない、かっ!」
隣の席に座るクリスが話しかけてきた。しかし私は荒れ狂う感情をどうにか抑えようと必死だったので無視した。
「ってなんであんなクズが同じクラスなんだ!お母様にいって一緒にならないようにお願いしたのに!ルイーズもあんな奴がいては目障りだろう。今すぐ学院から追い出し」
しかし
「消えろ……」
できなかった。うるさすぎて自分の婚約者なのに不快すぎて
(追い出すって何よ)
無視することなんて
"お前は今日からわたしのものだ"
"俺のものになれ!"
権力をかたにするあいつらとクリスが重なって見えて私には無視できなかった。
(貴族社会なんて権力を持つ者が全てにおいて正しいというのに)
そんなことわかってる。だけど。
「え?なんだってマイハニー?」
聞こえなかったのかそう聞き返してきたクリスに
「お前が消えろ!」
と怒鳴ってしまった。
今考えても私らしくない。婚約してるとはいえ私の身分はまだ「子爵令嬢」だ。身分が違いすぎるし王族への不敬罪で処刑されてもおかしくないというのに……。
(ああもう……)
本当に思い通りにならない。それに私だって権力を散々利用してきたくせに。
(何やってるのよ私)




