ルイーズside
セシルとレントが強制送還とあいなった頃、私ーールイーズは自室のベッドで横になっていた。
「……」
いつもなら美容のためにとっくに眠っている時間だった。しかし今の私は目を閉じても眠れなくて逆に目を瞑ると
"誰だ、ってキャサリンじゃねえか!"
あいつーーレントのくったくのない無邪気な笑顔が浮かんでしまって
「っ!」
その度に慌てて目をあけた。
「……ふぅぅぅ」
月を眺めることで多少落ち着きを取り戻した。それでもレントを思い出すたびに心臓が弾けた。けど、緊張もするけど
「ふふ」
なぜか嬉しくもあって頬が緩んでしまう。ただそれと同時に怒りも抱いていた。これまで私に手に入らなかったものなんてなかった。私が欲しいと願えば、行動すればすぐに男だろうとモノだろうとなんでも手に入った。
「……」
しかし「レント」という存在はどうだ。この私が近づいて話しかけたというのに惚れた様子すらなかった。思い通りにならない
"くそ!思い通りにいってさえいれば……くっ!失わずにすんだのに!"
それは私が一番嫌いなことで、
「なんなのよ!」
最も恐ろしいこと。だけどそんな思いを使用人にさえ悟られたくない私は、イライラするふりをした。
「……」
思い通りにならないレント、そして思い通りにならない私の……。
「っ!」
私は唇を噛み締めるとシーツをギュッと握りしめた。




