神視点
(うおおお!なんか。うおお!!)
昨日の手を握っていた時の感覚を思い出して心の中で叫ぶレントと
(ううう……ああ)
昨日、寝ているレントの額にキスをした時の雰囲気や気持ち、感覚を思い出して心の中で唸りながら身悶えているセシルは
(これは無理だ!)
(もう無理!)
お互いを直視することができず反射的に顔を上へと逸らした。
(ああ……落ち着く)
(木目調……落ち着くわ)
そして木目調の天井にあるなぜかこちらを見て笑っているように見えるネコの柄を見て、二人はその愛らしさに思わず和んだ。
「おう。どのケーキにするんですわ?」
という店長の問いに微笑みながら顔は上を見たまま今も愛らしく微笑むネコの柄を見て
「うふっ♡店長の生搾り百パーセントっ。PSいつでも連絡待ってるわ」
「うふっ♡店長の生搾り百パーセントっ。PSいつでも連絡待ってるわ」
ちょっと変わった名前のショートケーキを頼んだ。
「……」
が、
「……」
二人が頼んだケーキはあと一つしかないもので、
「おい、真似すんじゃねぇ」
しかもショートケーキは二人の大好物である。
「はぁ?そっちが真似したんでしょ」
ゆえに絶対に譲れない二人は、
「このケーキは私のよ!」
衝突することに。だけどいまだに互いを直視できない二人は天井を見上げたまま
「いーや!俺のだ!」
互いに腕を組んで一歩前に出た。が、そんな二人に
「おう!てめら!……ケーキのために争わないで♡」
店長から「待った」がかかった。
「おう!二人も知ってるだろうが、この店で客が揉めた場合は……クイズ対決で勝敗を決めるのですわ♡」
それはケーキを巡ってチンピラが互いのケーキ論を語り、論破した方がケーキを手にするという争いが絶えなかった時代、
「ケーキのために争わないで♡」
とそんなチンピラたちを見かねた店長が代わりの対決を提案したという。それがクイズ対決である。
「この店に通ってんだ。異論はないですわね?」
と店長が二人に問い
「ごくっ……」
「っ」
問われたセシルとレントはあまりの迫力と伝説のクイズ対決ができるという喜びと高揚感から喉を鳴らし
「やる!」
「やります!」
と了承したのだった。
………
……
…
そして時は戻り現在。
「それではクイズ対決を始める……わよ!」
セシルとレントによるケーキを巡るクイズ対決が幕を開けた。
「こんにちは」
「あ、いらっしゃいませ」
のだが、
「すみません。ショートケーキを一つ」
「はーい……どうぞ」
「ありがとう……はい」
「ちょうどですね。ありがとうございましたぁ」
クイズが始まったと同時に
「あ、」
「ああ」
二人が求めてやまなかった
「私の!」
「俺の!」
ショートケーキは売れてしまった。
「「ショートケーキがァァ!!」」
ソールドアウト!




