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幕話 企み×信託
果てしない宇宙。
それは、神の箱庭。
煌めく星々の輝きは、暗黒を彩る装飾品。
無音の世界では、神の威光が彼方まで響き渡る。
そんな広大な宇宙の中心に、漆黒の管理者が鎮座していた。
漆黒の管理者は恍惚な表情を浮かべ、手元の水晶を眺めている。
「安住の地で暮らす? ふふ……、ダメよ、美しい子」
愛おしそうに、楽しそうに呟いた漆黒の管理者は、水晶に別の者を映し出す。
◇◇◇◇◇
早朝、私は跳ね起きた。
「パトリシア様、どういたしましたッ?」
ベッドの横で待機していた世話役の侍従が、私の様子を見て、血相を変えて近づいてくる。
「平気よ。着替えを」
着替え終えると、隣の部屋で待機しているレフの元へ向かう。
「おはようござ――」
「また、信託を賜ったわ」
レフの言葉を遮り、私は今朝見た神の意を口にする。
私の言葉を聞き、微笑んでいたレフの表情が真剣な面持ちに変わる。
「ということは、居場所が分かったのですか?」
「ええ」




