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第八話

 どうやらコワードラビットには残り1羽になると近くの群れに急いで合流するという習性があるらしい。プレイヤーが追いつけなかった残りの1羽が走っていった先に群れがあったのは鷹の目で確認した。


 俺はコワードラビットの速度に追いつくことができる。


 つまり、この方法を使えばかなりの効率で狩りができるってことだ。


「これで5羽か…。」


 4羽の群れの3羽を狩り、これでクエストを達成することができた。


〈スキル【鑑定】を取得しました。〉


 鑑定スキルだ。


・スキル 鑑定Lv1/10

対象を詳しく調べることができる。

どれだけ詳しく調べられるかはスキルのレベルに依存する。

【取得条件】魔物を5体討伐または素材を5つ集める。


 なるほど、チュートリアルクエストを終わらせれば取得できるのか。


〈チュートリアルクエストを達成しました。ギルドに報告しましょう。〉


 狩りを続けようとしたけどギルドに報告しないとフレンド機能が解放されないようだし、一旦戻るか。


「門番さん!」


「お、初めてのクエストは大変かい?コワードラビットは逃げ足が速いから狩るのは難しいだろ。」


 門番さんは俺が帰ってくるのが早かったから倒せてないと思っているみたいだ。まだ革鎧のプレイヤーはカレージラビットとの戦闘をしている。


「バッチリ倒せました!これからギルドに報告します。」


 門番さんは驚いた様子で


「こんな短時間でクエストをこなせるのか。俺でもこの短さだと3羽狩れたらいい方だが。まぁ、初めてのクエストが成功はいいことだ。俺も強くならないとな…。」


 門番さんは初めは驚いた口調だったが最後は意味深な言葉を吐いていた。


 これはクエストの予感…


「また、後で来ますね!」


 そう言って北門を後にした。


「あ、ダンタスさんだ。」


 遠くの方に見覚えのある大剣が見えたので鷹の目で見るとダンタスさんだった。


 その周りには装備の整った人が数人いる。


 おそらくパーティーメンバーだろう。魔法使いの女性と弓使いの女性、腰に短剣を差した男性だ。バランスがいいな。


 お?ダンタスさんの方に誰かが挨拶しに行ったぞ。てか、あの顔。


「サンじゃねぇか!」


 俺はサンの背後に加速を使って移動する。


「ダンタスさん、久しぶりです。」


「サン君、敬語じゃなくていいって言ってるだろ?」


 やっぱりサンだったか。ダンタスさんと知り合いってことはβからの付き合いだな。


「いやぁ、βのトップランカーの方々にはいろいろと協力してもらったんで…」


「俺らはそんなに協力してないからな。それでどうかしたのか?」


「あの~ですね。友人とゲームする予定だったんですけどフレンド機能がチュートリアル終わらないと使えないことを伝え忘れてて…」


 伝え忘れてたのかよ。前調べせずに始めた俺も悪いかもしれんが。


「あぁ、なるほどね。名前とか教えてくれれば俺らも探して見つけたらチャット飛ばすでもいいが。」


 あ、後ろにいます。本人。


「サーヴァってやつです。足が速そうな顔してるんですけどわかりますかね?」


 足が速そうな顔ってなんだよ。


「サーヴァ君なら君の後ろにいるじゃないか。」


 サンが名前を出すと同時に背後から少し顔を出すとダンタスさんが気づいてくれた。


「うぉおおお!居たぁああ!」


 サンが急に現れた俺にのけ反りながら驚く。こんなに簡単に背後を取られちゃダメだぞ。


「ダンタスさん、さっきぶりです。クエスト終わって今から報告しに行きます。」


「おう!お疲れ。結構早かったな。君もサン君のように強くなるかもな。」


「なんだ、二人とも知り合いかよ。報告済んだらフレンド機能開放されるから早くしてこいっての。」


 サンが拗ねている。自分よりもダンタスさんの方が早く会ったからだろうか。



 ギルドに入り、並んでいる様子を見る。


 チュートリアルクエストから帰ってきた人が増えたからなのかプレイヤーが多い。


 それにも関わらず一番端だけ空いている。やはり女性なのだろうか。あの男性の顔立ちが良かったら並びもよくなるんだろうが、暗い感じだったからな。


「報告です。」


 受付の机の上で普通に事務作業をしてるさっきのやつに声をかけた。


「お、プレートを出して。」


 登録で貰った木のプレートを出す。


「よし、達成してるね。素材はギルドで買い取ることができるけどどうする?」


 買取か。とりあえず、カレージラビットを討伐することを目的にするとしたら流れでコワードラビットも倒すし、要らないか。素材も肉と毛皮だし。


 カレージラビットみたいに角があれば武器の素材になるかもしれなかったけど。


「毛皮と肉を5羽分お願いします。」


「はい。1000Gね。これプレート返すね。」


 お辞儀をして受付を離れる。


 あの職員はマニュアルを読み直したのだろうか。


〈フレンド機能が解放されました。〉


 これでやっとフレンド機能が使える。

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