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1-7 百聞は一見に如かず

SIDE冒険者パーティ『タコスの風』


…冒険者という職業は、一人だけで行うこともできるが、できない場合もある。

 ならばどうするかといえば、役割を分担して複数でパーティを組むこともあるのだ。


 前衛、後衛、後方支援、タンク、荷物持ち、回復担当…その他色々と役割を持ちつつ、バランスを考えて4~6人のメンバーで構成して、一つの冒険者パーティとして組むこともある。


 そして今、アルモストタウン近くの森では、その冒険者パーティの一つ『タコスの風』のメンバーが集い…



【【【ブマァァァァァァァア!!】】】

「こんなところでマグナムベアーの群れに出くわすなんて、運が悪すぎだろぉぉぉ!!」

「辺境だからやばいやつがいたりするのはあるけど、出くわしたくなかったなぁこのかたくて大きい熊の魔物どもには!!」

「お前らしゃべっている暇があるなら、手を動かしてどうにか倒せぇ!!」


…現在進行形で、かなりのピンチを迎えていた。



【ブマァァン!!】

「くそぅ!!どうしてこうなった!!」


 大きな腕が振り下ろされるのを何とかかわし、剣を突き刺してから抜き取って、再度距離を取りながらそうつぶやくのは、このパーティのリーダーを担うゴロンズ。

 久しぶりに依頼の道中で、弟であるゴリレイオンのいる都市の近くに来たなと思って寄り道をしようと思っていた矢先に、この熊の魔物たちに遭遇した己の運の悪さに舌打ちを行っていた。


 パーティは全部で5名いるのだが、この熊たちの襲撃で一名が脱落しかけており、ピンチを迎えている状況。

 しかも落ちかけているのが回復を担っていた薬師であり、傷薬の配布が行うことができず、ダメージがじわりじわりと蓄積している状態。

 他の仲間たちも何とか応戦しているのだが、いかんせんこのマグナムベアーたちはそこそこの強さを誇る魔物であり、そう簡単に倒すことができないのだ。



「くっそう!!この熊どもめ目撃情報なんて確か三日前ぐらいに別の場所であったはずだぞ!!」

「魔物の移動速度を舐めていたな!!討伐依頼が出ていたはずだが、こんなところにとはな!!」

「俺、これでもしも生き残ったら、辺境の都市で可愛い受付嬢さんをデートに誘うんだぁ!!」

「「嫌なフラグを立てるなよ馬鹿野郎!!」」


「おいそこ!!連続フラれ39件の異名をもつボンブルの言葉にまじめにツッコミを入れるなよ!!」


 ぎりぎりの戦いの中、油断したらまずい状況。

 仲間が発した言葉に対してツッコミを入れていたゴロンズだったが、彼のそのツッコミこそが最大の油断になってた。



【ブマァァアアアアアアアアアア!!】

「げっ、しまった!?」


 いつの間にか背後に忍び寄っていた熊の一体が回避不可能な距離でのしかかろうとしており、その巨体に押しつぶされようとしていた。

 このままではここからさらに瓦解してしまい、全滅しそうだと思った…その時だった。



ジュンッツ!!

【ブマブッ!?】

「「「…は?」」」


 一瞬、何かが強く光ったかと思ったら、後方から強い光の何かが貫き、熊の頭が打ち抜かれて絶命する。

 何が起きたのか理解しきれない中、事態は動いていく。



「『パルスレーザーラッシュ』!!」

ジュジュジュジュジュジュジュン!!

【【【ブマアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?】】】

「「「な、な、ななんだぁぁぁぁぁ!?」」」


 どこからともなく光の雨のようなものが撃ちこまれまくって、次々にマグナムベアーたちを貫き、一体、また一体と屠っていった。

 

 何が起きたのか理解しきれない状況のまま、その光の雨あられを出した方向を見れば…そこにはふよふよと小さな羽をもった小さな小さな少年のようなものが浮かんでいた。



「ふぅ…まさか、こんなところで襲われている冒険者(同業者)がいるとは…ピンチそうだから助けたけど、大丈夫だったかな?」

「えっと、今ので助かったけど…」

「いや、まずなんだお前…めっちゃ小さいというか、なんというか…」

「そ、そういえば聞いたことがあるぞ」


 小さな羽の生えた少年の姿に仲間たちが驚愕から抜き出しきれない中、ゴロンズはふとある噂話を思い出した。

 今向かっている都市、アルモストタウン。そこでは一月ほど前に、妖精が現れたという噂を、


 絵本やおとぎ話にしか出ないほど、姿を見たことがない妖精。

 それが現実に出てきたうえに、何やら冒険者になって居ついているという噂を、ここ最近の酒場などで流れていた話の中で聞いたことがあったのだ。


 ゴロンズ自身も、どうせただのほら吹きの眉唾物の話だろうと思っていたのだが…こうやって目の前にいるのをみると、妖精が実在した上に冒険者になっているらしいという噂はどうやら真実だったようだ。


 ピンチからの現実に出てきた空想上のような存在の出現に対して、状況が変わり過ぎてしばしの間、タコスの風のものたちは驚愕し続けるのであった…

ピンチから救われた冒険者たち。

そしてさらっとえげつない攻撃手段を取得している主人公、

さてさて、この出会いはこれはこれでどうなるのか…

次回に続く!!


…なんか主人公サイド↔周囲

のほうで書いているけど、周囲から見たほうが楽かもしれない

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