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1-14 ほうほうなるほどと

…勝負には負けたが、対人戦としては良い経験を得ることはできた。

 百手のアリシアという異名を聞いていたが、まさにその手のうちは百も…いや、もしかするとそれ以上の組み合わせも予想できそうなので、これでまだ控えめな方なのかもしれない。


「でもやっぱり、経験得られて良かったけど負けたのは悔しいな!!」

「あはははは!結構危なかったけどね」


 模擬戦後、その戦いの盛り上がりを持ったまま冒険者たちと今、ラロンは勝負を挑んできたアリシアと共に酒場で飲んでいた。

 普段酒ではなく果汁水や蜂蜜を飲むのだが、こういう時は酒を飲みたくなるもの。

 だがしかし、酒は飲んでも飲まれるなという言葉や、そもそも飲みたくなるのは気分だけで合って、前世のことはだいぶ忘れているがそこまで酒を好んで飲んでいた記憶もないので、気分的な意味で少し刺激的な炭酸水を飲んでいた。


…まぁ、これはこれでいいけど、妖精サイズに合わせたカップだと、そこまで量がないのがちょっと残念なところ。

 よく漫画表現とかで、小さい体なら少しの量でもたくさん食べられるみたいなものがあるが、現実的に見たら量が結構厳しいのである。



 なんにせよ、お互いに良い勝負ができたのもあったので称えあう意味も持って飲んでいた。


「それにしてもアリシアさん相手で、結構やったんだけどなー。次々に対処されたのが残念だよ」

「まぁ、無理もないだろう。確かに君の妖精魔法はすごかったけど、経験が勝っていたから予想して対処しやすかったのさ」


 ラロンの言葉に対して、そう口にするアリシア。

 ぐいっとグラスに注いだ酒を飲んでいると、ばさっとそのローブが落ちて顔があらわになる。



 声色やしぐさからなんとなく予想していたが、綺麗な女性のようだ。

 先頭に向かせるためかショートカットに整えられた金髪がきらめき、金色の瞳と一緒に輝いているようだ。


「おっと、ローブが…これないと、ちょっときついんだよね」

「そうなの?結構美人さんだと思うんだけど」

「いや私、ちょっとした体質もちで、少しなら良いんだけどそこまで肌出せないんだよね」

 

 そう言いながらアリシアはすぐにローブをかぶりなおす。

 きれいな人だけど、あの強さも持っていたし、天は二物を与えずともいうから何かしらの素顔を出しにくい事情でもあるのかもしれない。

 日光アレルギーとか、そういう類かな?この世界にアレルギーの治療方法があるかわからないが…鑑定でも使えばわかるかもしれない。


 まぁ、流石に人に勝手に鑑定をかける気はしないが。自身の知識量に影響されるタイプのものだし、医学の知識は乏しいからなぁ…出来たとしても、治療法ができないものだったら意味がない。

 下手な希望を持つよりも、もう少ししっかりと確証と準備ができるようになってから、話してみるのもありだろう。


「っと、もうだいぶ飲んで時間たったが…しまった、忘れていた」

「ん?どうしたの、アリシアさん」

「冒険者業をしているからこそ、他の依頼もあったことを思い出したんだよね。そろそろ行かないといけないや」

「飲んでいる様子だけど、大丈夫?宿屋で一泊したら?」

「んー…いや、やめておくよ。今日はこの辺りで下がらせてもらおうかな」


 アリシアはそう言いながら立つと、その場を後にしようとする。


「そうだ、君…ラロンだったか。今日の勝負は楽しかったけど、まだまだ戦闘に関して経験が少ないようだけど、よかったら今度一緒に戦闘に関して修行してみないかな?ここから離れた場所だけど、君さえよければちょっと伝手を頼ることができるよ」

「修行?どうしようかな…」


 他の場所にどうやら修行できるところがあるようだが、自分としてはそこまで戦闘のプロになるような気はない。

 でも、他の地での修行…ここじゃない場所へ向かうのは興味が引かれるだろう。


「うん、ならお言葉に甘えて今度お願いしたいかな。いつ頃になるかはわかるかな?」

「そうだね、大体…2週間後に誘いに来るよ」

「わかった、その時にお願いします」


 他の場所へ向かう護

衛依頼とかも考えていたが、こういう機会があればとったほうが良い。

 これはこれで面白いことになるかもと、楽しみになるのであった…

たまたま巡り合えた幸運を活かして、

新しい場所へ向かう機会を獲得する。

さて、二週間後が楽しみだが…

次回に続く!!



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