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時代遅れの魔女の家  作者: 刻銘
第一章 始まりの洞窟
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1-2

(今年度は)初投稿です。

 あの少女のことは置いておいて、適当な食べ物をノートに書いたら本当に出てきた。


 机とか椅子とかなかったので、ダメ元で書いたところ、かなりお洒落なヨーロッパって感じのテーブルや椅子が出てきた。


 どうせこの後進まなきゃいけないので少しもったいない。


 食べ物の問題が解決したところで、モンスター?と戦うとはどう言うことだろうか。


 ノートに質問をひたすら書き続ける。



◇◆◇



 わかったことは……


・モンスターはゲームによくいるスライムやゴブリンらしい


・この世界に異世界物によくあるステータスはない


・日本ではないどこか異世界らしい


の三つがわかった。


 この筆談の相手はいるわけだが、日本ではないと分かる相手であると分かる。


 相手は、日本を知っていて、ここは日本ではないと知っているということは、どういうことなのだろうか。


 一番考えられるのは、俺と全く同じ状況で、先にこの試練をクリアしたとか、日本という言葉に別の意味(物語の舞台になっている、この世界に日本がある、日本は何かの隠語、とか……)があるとか、この世界になんらかの理由で入り込んだ?とかだろうか?


 そもそもこの洞窟以外に何があるのか分からないのだから、考えても無駄だ。


 ここから出るしかない、


 そのために、準備して進んで行こう。

 

 準備といってもあまりない。


 戦う道具としては、魔導書を出してもらっても使えるとは思えないので、剣とか防具とか銃だろうか?



◇◆◇



 まさかのガチ装備(自己評価)になってしまった。


 かっこいい狙撃銃一丁とマガジン。


 魔法がかけられていると説明された黒色のローブ。


 剣だと自分側に刃があって怖いので刀。


 あとは、細々とした手榴弾とかナイフとかだ。


 ローブのおかげで、重さを軽減しているらしい。これだけの装備をしてもあまり気にならないほどだ。


 というか、ロープに刀と狙撃銃とか……合わなさすぎる。


 自分でもチートだと思える装備が出てきたし、ゴブリンやスライムなんかはさっさと進もう。



◇◆◇



 進んでいるとかなり広いスペースに着いた。


 ここで戦うのだろう。


 そこに足を踏み入れると、目の前には、あの橋で見た魔法陣のようなものが……


ーー大きくない?


 やな予感を感じていると、現れたのはドラゴン。


 初めて戦うモンスタードラゴンって……


 手始めに手榴弾を投げる。


ーーバン!

 

 初めて聞く轟音がした。


 ドラゴンの額に上手く当たったが、攻撃が効いた様子はない。


 何故か知らないが、ドラゴンは動かない。




 次は狙撃銃で目を狙ってみよう。


 バンっと、大きな音をしたが外してしまった。


 そりゃ、訓練とか練習とかしてないんだから、当たり前か。


 ここまでしても、ドラゴンは動かない。 


 本当に生きているのか?


 この調子では、刀も効くとは思えないし、どうしようか。



◇◆◇



 あれから結構時間が経ったと思う。

 

 ノートに倒し方のヒントを聞いたところ、ドラゴンは動かなくて、魔法しか効かないらしい。


 なんでだよ!


 仕方がないので、魔導書を出して魔法の勉強を始める。


 

 ノートに簡単な魔導書と書いたら、『ゼロから学べる魔法初心者〜基礎編〜』と表紙にデカデカと書かれている本が出てきた。


 魔導書って感じではなく、どこか手作りのような普通の本だ。


 なんだろう、デザインが売り物みたいではなく、部活の小冊子みたいな感じ。



 その本を読み進めると、魔法は体内にある魔素を別のものに変換させて使うことの出来るものらしい。


 必要な魔素と起こしたい現象のしっかりとしたイメージがあれば、出来るそうだ。


 本に書いてある通りに手から炎を出してみよう。


 まずは、手に魔素を集めるところから始めるらしい。



◇◆◇



 分からん。


 どこが分からないというと、魔素がどういうものなのか意味不明なのだ。


 魔素は万能で何でもできるのは取り敢えず受け入れても身体のどこにあるのか分からないし、体内で魔素をどうやって動かすのか分からない。



〜三日後〜



 ノートにも助けながら、どうにか魔素を動かせるようになった。


 後は、魔素を集めてイメージをするだけだ。


〜一週間後〜



 出来ない。なんで?


 魔素を動かすのがやっとなのに、そこからさらにイメージを固めるって……



〜一週間と二日後〜


 

 無理。


 というか、一週間これをし続ける事が出来ただけ奇跡だと思う。


 何故か知らないが来て飯を食べた後から腹は減らないし、眠くならない。


 さらに、娯楽もないから発狂しそうだ。


 誰か他にいてくれたら良いが……



〜一か月後〜



 やっと炎を出すことが出来る様になった。


 一ヶ月もあると変わったことがある。


 この先を守っているドラゴンが意志を持ち始めたのだ。



 『亮さん、何ボーッとしてるのですか? このままでは何年経っても出れませんよ!』


 

 このドラゴンは自分を倒させるために凄いスパルタに魔法を教えてくれます。ーーなんでだ!!


ーーはぁ。



〜一年後〜



 やっと、やっと、倒せそうな魔法を身につけた。


 このドラゴンともすごい仲良くなれた。


 『亮さん、やりましたね。これでこの層は突破できそうですね』


 うぅ。


 ドラゴン今までありがとう!


 「今までありがとうドラゴン。これでようやくここを出れるよ!」


 『さあ、はやく魔法を打ってください。私はここで死んでも構いませんから……』


 そ、そんな。


 一年(ノートの情報より)一緒にいた心の支えのドラゴンを殺さなければならないなんて……!


 『亮さん、良いのです。はやく殺してください。どちらにしよ、私はここを出れないのですから、私の分まで亮さん、頑張ってください』


 こ、ここまでうるうるとした目で言われては、殺さないという方が難しく感じてしまいそうだ。


 「でも!」


 『亮さん。今までの修行を無駄にするのですか。あなたの成長した姿、見せてください』


 「分かったよ。いくよ、最大火力『エクスプロージョン』」


 そういうと、手榴弾なんか比べることの出来ない爆発が起きて、あのドラゴンが倒れていたのであった。



◇◆◇



 次の戦う所にきた。


 前回と同じような大きさの部屋に、同じぐらいの大きさの……魔法陣。


 すると目の前にはーー


『亮さん。ドラゴンがあの程度なわけ無いですよ? さあ、続きを始めますよ』


 俺は、あの別れたくなかったあのドラゴンにまた会ったのであった。

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