少年の詩
少年は生まれた。九死に一生得ての生誕。記憶にはないその景観。
少年は無口だった。不気味だという人も少なくなかった。
少年は空想することが好きだった。それだけが武器だった。
少年はあたまのなかでマリオにも三浦カズにも何にでもなれることができた。わからない奴は無視すべきだ。そうであるべきか?
少年は虐められるようになった。
少年は不愛想だった。可哀想だった。何と言われても変わることはなかった。
少年は英語の勉強にハマった。勉強好きに変わった。
少年は英語の教師に恋をしていた。彼女ばかりずっとみていた。
少年は信仰に目覚めた。でも願望に穢れた。コンプレックスに存在を消された。
少年は親の言う事を信じた。禁じた、自分自身で勝手に決めたルールに則って。親の求める自分へもっともっとって。
少年は太鼓を叩いた。それでも大人しい彼がそこにまだいた。逃げては言う「ただいま」
少年は東京を夢みた。崩れても夢みた。野望があった彼の胸には。
少年は広島で生きることを決めた。その時になってやっと言えた。傷はさっと癒えた。
少年は大学で悩んだ。それまでの自分を畳んだ。
少年は何にも属したくなかった。また変わった。そして戸惑った。そして遊んだ。あとのことはあとの自分に頼んだ。
少年はまわりの声だけを聞いて失敗した。嫌なこと言う奴がいっぱい居た。
少年はもう一度挑戦した。まわりの声に応じると表明した。
少年は挑戦者だ。そして表現者だ。
少年は現実を知った。そして現実で生きていくと言った。いつの間にか彼の夢は散った。もうどうでもいいことだと電話を切った。
少年はいつの間にか嫌いな大人になっていた。このときが彼を待っていた。
少年よ、それでいいのか? 本当にそれでいいのか?
少年は空想することが好きだった。それだけが武器だった。結局何ひとつ役にたたない武器だった。それでも空想することが好きだった。
少年は小説を書くようになった。それを趣味にするようになった。
少年の世界は広がっている。むかし彼がいたときよりもずっと広がっている。そして昔よりも強がっている。
少年はそれでも知っている。自分はそれでも弱いと知っている。
少年は青空を見上げた。そのはるか先に輝く星空が観られた。
少年よ、大志を抱け。嫌いたい奴は嫌え。愛したい奴を愛せ。時間はもどってこないぜ。
少年よ、自分を愛せ。一瞬を愛せ。愛されるのも憎まれるのも人の自由。それが人であることの理由。一瞬たりとも止まらない地球。
少年よ、世界は広い。人間は酷い。だけどそれが全てじゃないとおまえは知っている。切符ならとっくにいくつも切っている。
少年は前を見た。照れくさくても微笑んでしまった彼は彼以外の何者でもない――
∀・)あけましておめでとうございます!新年1発目は詩作品の投稿になります!実はよく読んでみると面白い遊びが施されています。で、これで1曲できるのかなと思って口ずさんでみたら、全然メロディーにならなかったです(笑)作詞作業と詩の創作って違うものなんですね~。もしかしたらこの作品が最初で最後の詩作品になるかも?個人的には青空を眺めている筈なのに星がみえるって表現を気に入ってます。なんだろうなぁ、ヒップホップ風でいう「イル」な感じで(笑)本年も楽しんで創作に励めたらと思います。宜しくお願いします☆