表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆりばら  作者: 上村熱
2/2

部活のあれとそれ

第2部です!


部室には何も敷かれておらず、テレビが一台だけ置かれていた。

「永山せんぱーい!」

「おい神楽、誰もいないぞ」

その瞬間、帰ってアニメを見ることを決心し部室を出ようとすると目の前に女子空手部の部長。永山愛宕がいた。

「あ、愛宕せんぱぁ〜い!どこ行ってたんですかぁ〜?」

新富がめちゃめちゃあざとく永山愛宕に寄って行った。

「おい、そこの明らかに"受け"のやつは誰だ?」

この"受け"というのは"攻め"の反対のことを言っているのだろう。この言葉を使うとはつまり、永山愛宕は腐女子で、かつ神楽と腐女子仲間であり永山愛宕に一目惚れしたという新富は二人が仲良くしているのを見て神楽に相談し、空手部に入部するに至ったのだろう。この会話だけでここまで推測できる俺は天才かもしれない。

「俺は2人のクラスメイトです。永山先輩も『歴史部』お好きなんですか?」

腐女子なら『歴史部』の話を出せば早い。

「まさか君も『ゆうよし』が好きなのか!?」

予想通りすぎてニヤついているかもしれないが俺はしっかりと言った。

「いえ、俺は『なぎあず』こそ至高だと考えていますっ!!!」

その刹那、永山愛宕はさきほどの同士を見つけた時のオタク特有の食い付いてきた顔から一気に真顔になった。

「神楽と東明よ、金輪際こいつを部室に入れるな。我々の楽園が毒される…」

「そ、そういう事だから、また明日ね」

神楽はそこまで姫男子は嫌っていないということがわかった。この永山愛宕という女、本気で姫男子を嫌っている。もう永山愛宕という女と関わることはないだろうな…。

ってか羨ましすぎんだろ!部活というのを表向きにして裏ではあいつらは好きなことについて語り合っているのだろう。まさしく俺が中学時代に夢見ていた部活でオタ活というものだ。そもそも神楽と永山愛宕はどのようにして知り合ったのだ?そんなことを考えながら玄関に着くと後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。

「旭!待って!」

神楽が俺を呼び止め、寄って来た。

「あんたも部活やったら?」

「俺が入る部なんて存在しないだろ」

「永山先輩がよく言い合いしてる東光先輩がいるんだけどもしかしたら…」

つまり、永山愛宕と言い合いをしているということは東光先輩は姫男子なのではないかという事だ。ちなみにその男は学校内で知らない人はいないほどの有名人でクラスの女子がよくイケメンだって話している。神楽が言いたいのはおそらく東光先輩とその幼馴染の大町北都の二人のみで活動しているという山岳部が女子空手部と同様に自分たちの好きなカップリングについて話しているだけなのではないかということだろう。まさかあのイケメンがオタクだなんて思わない。まして姫男子だなんてなおさらだ。

「あんまり期待はしないけど明日体験に行ってみるわ。俺もオタク仲間欲しいし」

俺は失敗しない自己紹介の仕方をググりながら帰路に着いた。

読んでいただきありがとうございます。数日後に第3分を投稿予定です!よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ