読書/国木田独歩「牛肉と馬鈴薯」 ノート20161107
国木田独歩「牛肉と馬鈴薯」感想文
●国木田独歩「牛肉と馬鈴薯」1901年
朗読/久米明 新潮CD文庫 2002年、表題作『武蔵野』に収録
青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)
【概要】
かつて東京府芝区桜田本郷町に存在したサロン「明治倶楽部」。そこに、プロテスタント系クリスチャンと思われる、紳士八人が集まった。紳士たちは討論を好む。その日の話題、男はロマンを、女は実生活を重視するという話になる。ロマンというのが、馬鈴薯に象徴される北海道開墾。牛肉というのが、女の実利だ。
そこで独歩の分身のような人物が自身の悲恋物語をいう。青年が学生時代に教会で美少女と出会って恋仲になり、北海道で開拓しようと資金調達のため、帰省している間に、恋人が亡くなったという報せを、その母親からの手紙で受ける。後に開拓事業に着手するがこれも失敗。主人公は未だに未練たらたらの様子。六人の紳士は、若気のいたりだ、熱病のようなものだったとして、軽く流してしまう。だが最初、恋物語に批判的だった紳士はからかわなくなった。
【所見】
独歩は二度結婚した。最初の妻はプロテスタント系の教会で知り合った。策を弄し、親に勘当させる形で、駆け落ち同様の結婚をした。私生児のかげりある美少女で、嫉妬から、監禁状態に置いた。北海道開拓の夢をとうとうと話すのだが、若妻の話は聞いてくれない。家計簿も触れない。堪らずにこの人は五か月で実家に逃げ帰り、娘を生んで里子に出してしまう。一種のDVをして逃げられた。この細君は、独歩のクリスチャン仲間・有島武郎が、『或る女』のモデルとされている。浪漫主義とされる短編。
晩秋のドライブ、私は図書館で借りたこのCDを聴いた。
ノート20161107




