読書/伊集院靜『切子皿』 ノート20170103
伊集院靜著 『切子皿』 感想文
朗読・松谷友梨 横浜録音図書株式会社 CD収録作品
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幼い頃、母と時分を置いて出て行った父を正一は憎んでいた。20数年ぶりに小料理屋のカウンターに乳と並んだ正一は、話題も途切れがちで、料理を盛られて出されたキリコの器の美しさが名に心に残った。
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01ガラス越しにグランドが見える。
草野球をみている父親。東京在住の小栗正一が高校以来あっていなかった再会する。京都の警備会社に勤める父親。音信不通だった、その父と再会する直前、オープニング。
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02小栗正一が美和子と結婚したのは十九年前の…
主人公正一の家族構成。本人は予備校講師、美和子は事務員で共働き。間に一男一女をもうけている。長男は高校進学をせず板前になりないといいだした。妻はヒステリックに反対する。一家は公団住宅暮らし。昨年までは自分を育てるためだけに生きていた母も同居していたが、小さくなっていた。妻は母につらくあたり、娘まで同調するのを不快に思っていた。その母の名義で東京に三十坪の土地があることが判った。妻は狂喜してマイホームを建てるべく主人公に、父親に権利を放棄させるように、京都に追い立てた。
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03腕時計の梁は六時になろうとしていた。
父親の所在が判ったのは、母の昔の同僚が、京都旅行をした際、偶然声をかけられたことに始まる。父親が名詞をくれたのだ。子供のころの思い出といえば、国鉄時代職員として、母が駅で弁当を売って生計を立てていたこと。父親はほとんど戻らず、たまに帰ってきたとき、母親をDVして、せっせとためた金を奪っていったこと。だが、野球場に連れていって寿司屋で御馳走してくれた思い出は楽しい思い出だった。進学するときに、母親のもとを離れるので父親に家に戻ってくれないか頼みにいくと、父親は愛人と暮らしていた。大乱闘の末に絶縁となった。その旨を母親に報告すると、妙に哀しい顔をされた。
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04その店は、祇園花見小路を南に下った四筋目の隅にあった。
父親が馴染の居酒屋にゆく。切子皿がテールブルの上にあって、みとれた。母の昔の同僚の証言を思い出す。よほど見合いで結婚したので、夫婦仲が悪かったのかと思っていたら、父親国鉄(ノンプロ?)の投手でスターだった。並み居る女子をかきわけて、母はどうにか父を捕まえたのだという。いままで不幸だと思っていた母が、実は幸せだったのかもしれないと帰りの列車で思った。また、父親は正一の子供たちに土産を買ってやれといって、一万円札を渡した。――土地の権利に関しては好きにしろといい、子供二人の名前を知っていたのだ。父親はスタンスを変えずに生きていた。また板前になろうとする息子を応援したいと考えた。
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【所見】
主人公は、父親の生き方は透明な生き方として見直すようになった。母はそこに惚れて押し掛け女房になったらしい。
ノート20170103




