読書/鈴木輝一郎 『金ヶ崎の四人』 ノート20170316
鈴木輝一郎 『金ヶ崎の四人』 感想文
物語の続編には『長篠の四人』があり、そこで述べられるが如く、織田・徳川同盟軍にとっての敵は「自然災害」なのである。――映画『シン・ゴジラ』には、内閣官房副長官・矢口蘭堂をリーダーとする、「巨災対(巨大災害対策本部)」なるものがあり、自然災害ゴジラと対決する。霞ヶ関のはぐれ者、一匹狼、変わり者、オタク、問題児、鼻つまみ者、厄介者、学会の異端児――織田家そのものだ。型破りな矢口に対し批判的な盟友が内閣総理大臣補佐官・赤坂秀樹だ。……主要登場人物四人のうち、織田家の三人、織田信長、豊臣秀吉、明智光秀が、「巨災対」チームとすれば、徳川家康は赤坂秀樹。織田家の朝倉攻めの途中、謎の裏切りをする、浅井長政がゴジラ役というわけだ。
盟友で妹婿の浅井長政が裏切った動機というのは不明だが、信長との衆道(同性愛)の清算にあるらしい。話のテンポは、コメディー系舞台劇のような印象を受けた。
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目次
序、虎穴の四人5 ……プロローグ
壱、 洛中にて12 …… 起
弐、 浅井はまだか87 ……床
参、 逃げる信長161 ……転
肆、 決戦……結225
終章、 嗣読316 ……エピローグ
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鈴木輝一郎『金ヶ崎の四人』 毎日新聞社2012
ノート20170316




