読書/鈴木輝一郎 『長篠の四人』 ノート20170315
鈴木輝一郎 『長篠の四人』 感想文
『金ヶ崎の四人』の続編だ。織田・徳川同盟軍にとっての敵「自然災害」武田勝頼による長篠城攻略。――映画『シン・ゴジラ』の内閣官房副長官・矢口蘭堂をリーダーとする、「巨災対(巨大災害対策本部)」の変人チームと、現実的な内閣総理大臣補佐官・赤坂秀樹的な役割を演じる徳川家康がタックを組んで、共通の障壁〈長篠の戦〉を乗り越える。
気まぐれな預言者・織田信長、土木工事と交渉は天才的だが戦場で役立たずの木下秀吉、万事卒ないがやる気のない明智光秀。織田家組は前作よりもより変人度数があがり、進行役の徳川家康は現実主義者であるものの家中での立ち位置が、藤田まこと演じる時代劇『必殺』シリーズの中村主水のような昼行灯っぽい描き方で魅力度を増している。
矢口蘭堂が奇想天外な〈ヤシオリ作戦〉において、在来線列車爆弾ほかの火力を動因して、ゴジラを転ばし、口からコンクリートミキサー車を用いて血液凍結剤注入したが如く、信長は馬防柵に武田騎馬隊を釘付けにして鉄砲隊斉射で仕留める。
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目次
序章5 ……プロローグ
壱 強敵勝頼20 ……序
弐 長篠城100 ……破
参 相楽原195 ……急
終章 決着285 ……エピローグ
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鈴木輝一郎『金ヶ崎の四人』 毎日新聞社2015
ノート20170316




