読書/エレン・ポッター『地下の幽霊トンネル』 ノート20160927
エレン・ポッター 『地下の幽霊トンネル』 感想文
概要
作者は、ニューヨークに在住していた女流児童文学作家らしい。作家になるべく大学で小説講座を受講、美術教師ほか、ウェイトレス、ペット美容師など多様な職歴があるのだそうだ。ペンネームからして、ハリー・ポッターにあやかったような感じだ。ヒロインの家族は、ニューヨーク下町マンションに暮らす、人のいいコックの父親、育児放棄をして離婚したファッション・デザイナーの母、病死した兄の霊である。異界がダブり、そっちの王族以下住人まで往来してくるという世界観。オリビアはシリーズもので、本作は第三作。――どっぷりアメリカ感覚で児童文学、世界が広がり・キャラクターもいきなり大勢で登場するので面食らう。頁量は全36節ある。第1巻5-223頁、第2巻7-188頁で、約400頁(1頁500字)でだいたい原稿用紙450枚くらいか。平易な文章ではあるけれど、けっこう、しんどい読書作業になった。
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粗筋
第三作での、ヒロインはニューヨーク美術学校に通い始める。個性的な級友たちが顔をだす。育児放棄の挙句、西海岸に引っ越した母親が、突然戻ってきて、思春期になった娘に、ブラジャーを買ってやると喚き散らして、ウンザリさせる。他方で、ピーター・パンみたいに7歳で成長がとまってしまった友人が、背を伸ばすことができる不思議な植物が存在するといい調査をしていた。その秘密を握る人物が、幽霊がウヨウヨしている、放棄された地下鉄トンネルの最深部に隠れ住んでいるとの情報を得てそこにむかおうとしていた。ヒロインと仲間たちが探検に加わる。
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※エレン・ポッター 『地下の幽霊トンネル』 海後礼子 訳 主婦の友2008年
ノート20160927