もう一度妻をおとすレシピ/鶏肉のキーマカレー ノート20150823
8月8日はパパの日でもなく発破の日でもなく××の日でもなく立秋。――それから先のお盆は残暑。8月下旬のクラゲが発生した海岸で、雨上がりの夜に花火が打ち上げられたとき、
「夏休みに東京の学校から帰ってきて、同窓会。高校時代みたいに二人できてみたけれど、ラストシーンみたいだね」
夜空には赤や青の大輪を咲かせた夏の残像が……。
なーんて元カノとのスパイシーな思い出を噛みしめながら砂浜を歩いている貴男に、
「どうしたの?」
って奥方が、小首を傾げている。
横では海鳴り。
そこで貴男は、半ばとりつくろうように、はにかんでいいます。
「そうだ。鶏肉のキーマカレーを食べよう」ってね。――なんとういう強引なイントロ。
ではレシピのご紹介をいたします。
2人分、鶏挽肉100グラム、玉葱1/2、ミックスベジタブル大匙山盛り4杯、水大匙6杯、オリーブ油小匙2杯、これに市販のカレー・ルウを準備。
まず、玉葱を微塵切り、フライパンにオリーブ油を加え、中火で熱し、玉葱・挽肉を炒める。つぎに鍋に、薄切りにしたカレー・ルウと水を入れ、ルウが溶けたらミックスベジタブルを入れて、火が通ったら、フライパンの玉葱・挽肉を加えかきまぜる。それを皿に盛った御飯に注げばできあがり。
テーブルにむきあって黙々とカレーを頬張る貴男。
奥方はいいます。
「誰でも過去って、しょっぱかったり、辛かったりするものなのよね」
「――けど君がいるから、いままでも、これからも、スイーツさ」
などと気の利いた台詞で返してみましょう。
そういうわけで、本日も、貴男の奥方は、イ・チ・コ・ロ♡
END
引用参考文献/
給食系男子『家飯道場』2012年 28頁