第6話:剣と魔導
俺はガイルからもらった剣(合剣)を十字にあわせ俺の国、日本の昔の剣。〈カタナ〉を想像した。
すると、合剣が光り一本の剣、刀になった。
「いくぞ!ガキ」
俺はガイルに向かって突進する!
ガイルはそれを軽々とよけ剣の腹の部分で横薙ぎをしてきた。
俺はよけきれず派手に吹っ飛ぶ!
「まだまだじゃのう。お主!」
「今の声、ガイルお前か?」
俺は吹っ飛ばされた体を起こしガイルに聞く。
「わし以外に誰がおる?正真正銘わしの声じゃよ」
「ジジくさ・・・」
俺がそういった瞬間!ガイルが突っ込んできた!
ガイルはまた横薙ぎをしてきたが、俺はなんとか横薙ぎを刀で防ぎはじき返す。
「ほぅ・・・わしの剣を止めるとは・・・」
ガイルは驚いた表情で言う。
「はっ!だてに剣道やってねぇ!」
俺は調子に乗った。そのとき!ガイルの剣が光り、大剣になった!
「これは、防げるかのぉ?」
ガイルは大剣を引きずることなく、しかも片手で持って突っ込んでくる!
俺は反撃できる隙が無く、ただ避けるしかなかった。
「避けずに戦いなよ!これは剣の訓練なんだよ!?」
プエルが大声で俺に怒鳴る!
(こんな剣受けきれるかよ!刀が折れるぜ!?)
俺はそう思いつつガイルに突っ込む!
「くらえ!」
俺はそう言って刀の刃の逆部分で切りかかる。
ガイルはすべての攻撃を避ける。
(こいつ、本当に10歳のガキか?)
俺がそう思っている時に、ガイルが
「死閃煉獄衝!」
と言って大剣を振り上げ、下ろした瞬間!俺の体が切り刻まれた!
「な・・・!?」
俺はそう言い倒れた。
「ダイジョブ?レンホウ」
プエルが心配そうに俺を気遣う。俺は2時間気絶していたらしい。
「あれをくらって生きてるとは、お主なかなかじゃの!」
(殺す気か!?・・・このガキ!泣かす!!)
そう思っている中、プエルが
「〈ブルー・レスト〉!!」
と言ったら、俺の傷が少しずつ癒されていった。
「これが魔導か?」
俺は、痛みに耐えながら聞く。
「そ♪これは〈癒し〉だから初級魔導だね」
「初級?じゃ、上級とかもあるのか?」
俺がそう聞くと、
「うん。あるよ。初級・中級・上級・特殊級があるよ」
「特殊級?なんだそれ?」
「特殊級は言霊じゃなくて呪文なんだ。ちょっと長い・・・」
「へぇ・・・じゃあ〈言霊〉ってなに?」
俺がプエルに質問していると、ガイルが
「お主は本当にレヴェル人ではないのだな」
と珍しそうに言う。
「む!いいだろ?俺だって来たくて来たわけじゃねぇ」
するとプエルが
「まぁまぁ、話を続けるよ。言霊は魔導士の呪文かな?」
「わかんねぇ・・・」
俺がそう言うと
「バカな男じゃ」
いちいちガイルが絡んでくる。少しムカツク・・・
「ガイルはかまって欲しいんだよ。許してやって♪とりあえず、次は魔導の練習だね」
「おぅ!」
「と言ってもまずは、レンホウの言霊を決めないと・・・。何がいい?」
「何がいいって言われてもなにを基準に考えるんだよ!」
俺がプエルに怒る。
「そっか。ゴメンゴメン♪えっと、例えば色なんかだとわかりやすいね。あたしの言霊は〈ブルー・レスト〉。これは青って意味の言葉が入ってるでしょ?」
「うん」
「つまり、青は水とかを表すからあたしは水系の魔導が得意なわけ。わかった?つまり色を入れればその色を連想する属性が強くなるんだ」
「なるほど、つまり〈色〉と〈属性〉か」
プエルの長い説明が終わった。そして俺は言霊を考えていた。
「ん〜・・・俺のいた世界の古代文字で〈無〉って意味の言葉で〈トリス〉は?」
「無のトリスか。うん♪いいね」
プエルはやけに上機嫌で言う。
「じゃ、言霊を決めるからあたしの後に続いて言って」
プエルがそう言うと彼女の周りの空気が変わった。
「我が言霊を決める。その名は〈トリス〉無を意味する言葉」
俺は続く。
「我が言霊を決める。その名は〈トリス〉無を意味する言葉」
すると、右手の甲に文字が浮かんだ。
「これはこの世界の古代文字〈スローク〉文字らしいよ」
「へぇ・・・」
俺は納得したように返事をする。
「魔導を覚えたのならその剣は主にやろう」
ガイルがしゃべる。
(どういうことだ?魔導を習得したからって)
俺は不思議で仕方なかった。
「そうか。〈消失〉と〈召喚〉ね♪さすがガイル」
プエルが気づいたようにガイルを指差して言う。
「最初に〈消失〉と〈召喚〉を覚えましょ」
「どうやって覚えるんだよ?」
俺はプエルに聞く。
「簡単♪カンタン♪あたしに続いて」
(またか・・・)
「能力変換!〈消失〉トリス」
「能力変換!〈消失〉トリス」
と俺は続く。すると、俺が持っていた刀が消えた。
「じゃ、もう一回!今度は〈召喚〉だよ」
「はいよ」
俺はやる気なさそうに返事をする。
「能力変換!〈召喚〉トリス」
「能力変換!〈召喚〉トリス」
そうすると、目の前に消えた刀が合剣の状態で現れた。
「ひとまず、これだけでいいかな?後々別な魔導は教えていくよ」
プエルがそう言ったらガイルが
「そうじゃな。早く任務行こうぞ!」
そう言ってガイルだけ先に町に戻った。
「じゃ、あたし達も行こう♪レンホウ」
そうプエルが言うと俺の手を引っ張って町に戻る。