第30話:生きる
「死閃煉獄衝!!」
「トリス!!」
衝撃がぶつかり合い二人の真ん中で弾けた。
俺は前に跳び足の裏から衝撃を放ちそこから更に低空に跳び曲刀をガイルに振り下ろした。
「ふっ!空衝連激!!」
だが、ガイルは俺が振り下ろしたそれを大剣の腹で受けそのまま攻撃に転じた。刀を押し返し上に跳び超重量の大剣で何度も切りかかってくる。だが、俺はそれをすべて捌き着地した。
「そんなものか?ガイル」
「まだまだ…。大地脈動」
大剣を地面に叩きつけ直線状に大地が流動する。
「ふっ!」
俺は前に衝撃を放ち、襲ってくる土を吹き飛ばした。
「……こんなものか。もういい。……【殺す】」
身体強化を体にかけ一瞬でガイルの背後をとる。これで終わりだ。と思ったがガイルの周りが歪み後ろへ跳び退いた。
「おぬし相手にこれは見せたくなかった……。恨むなよレンホウ」
そう言うと周りの歪みが更に強くなり闇が生まれた。そしてガイルは完全に闇に飲まれた。
「なんだ…?」
闇から出てきたのは四足歩行の動物。だが不可解なのは頭が3つあること。そして頭はそれぞれ鬣に、炎・雷・氷を纏っている。そして【それ】の上にはガイルが乗っている。
「できれば使いたくなかった。この……【ケルベロス】だけは」
そう言うとガイルは飛び降り横腹をポンポンと叩いた。言い忘れていたがこいつはかなりデカイ。
『グヴゥゥゥ…!!ガァアァァォォォ!!』
この生き物の対策を考えてる途中にこいつは襲ってきた。突然の事だったがなぜかしっかりと判断がついていた。前足の右爪を避け、続いて左の爪は曲刀の腹で受けた。
「今だ!!死閃煉獄衝」
ケルベロスとの戦闘に集中している俺に向かってガイルは真空波を放ってきた。
俺はそれを避けずケルベロスの前足に当たるように移動した。
狙い通り。
真空波は見事にケルベロスの足に当たり前足を切り裂いた。切り裂かれたそいつはすさまじい轟音を響かせ倒れた。
「しまっ…
「じゃあな。ガイル。特別に殺さないでやる」
そう言い捨て一瞬で背後に回った俺は首を支点に脳に軽く衝撃を与えた。
ガイルは崩れるように倒れたが襟を掴み止めた。そしてプエルのところに投げつけた。
「頼むぞ。プエル」
「どうするの?これから」
不安の表情を浮かべたままプエルが問いかけてくる。
「あいつらを殺してくる……。それが終わったらまた一緒に暮らすぞ」
そう言い残し俺は例の場所へ跳んだ。誰にも頼らずたった一人で……。




