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第23話:命

このごろはブラックな内容でしかありませんが呼んでくれたら嬉しいです。

「くっ!」

 体を捻り、飛んでくる無数のメスや注射器を避ける。

「ハハハ!楽しいなぁレンホウ君!」

 だいぶ前にプエルを診てくれた医者ゼシルド・クロスと俺は今戦っている。事の発端はついさっき。



「そのもしかしてですよレンホウ君」

 アーバスの死体を見ている俺の後ろから声が聞こえた。

「その声、ゼシル・・・」

 振り向こうとしたが首、それも頸動脈あたりにメスが当たり振り向くのを止めた。

「そう。ゼシルド・クロスです」

 何か様子が違う。貴族のような話し方だ。 そう思っていたら後ろにいるゼシルドは口を開いた。

「あなたのおかげで町の人間が殆ど死にました。ありがとうございます。私の国が建ちましたら右腕になることを許しましょう」

「それはどうも。歓迎いたみいります。なんて言うと思ったか?町の人間を皆殺しにした後、国をたちあげるだと?」

 静かに怒りが沸き上がってくる。我慢できるのはもはや数分だろう。

「えぇ。確かに私は国を造りますよ?私の国を」

 我慢の限界だ。 そう思い俺はゼシルドを外へ蹴り飛ばした。そして、俺もすぐに後を追う。

 すさまじい轟音と共にアーバスの館が崩れた。

「能力変換〈召還〉トリス!」

 合剣を出し曲刀に変化させる。そして奴に切りかかるがゼシルドはメスを指の間に挟め投げつけてきた。



 とまぁこんな感じだ。

「能力変換〈雷〉トリス」

 魔導を雷に変化させ飛んでくるメスに当て止めようとする。がゼシルドは

「無駄ですよ。変換〈操作〉アイラ!」

 ゼシルドが言霊を発するとメスはまるで生き物のような動きをしながら俺に近づいてくる。

「能力へんか

「アイラ!」

 魔導を変化する間もなくスピードを上げたメスが喉に突き刺さる。それ以外のメスは曲刀で弾いた。

「ガホッ!・・ろ・・・どつ・・って」

 喉を刺され声が出せなくなった。このせいで戦力が下がるのは言うまでもないだろう。

「これで魔導が使えませんね。さぁ私を足蹴にした罪は重いですよ!」

 激痛に耐え喉に刺さっているメスを引き抜き体勢を整える。もう声は出ずヒューヒューという音しかでない。

「変換〈光〉アイラ!」

 周りの光が弱まりゼシルドの周りに集まっていく。そして次の瞬間。

 光が俺の腕をすり抜けた。だが所詮は光。物質だから当たっても痛くはない。

「知っているのですよレンホウ君。君は魔族だ。だから光は極端に嫌いなはず」

 何を言っているんだ?俺は魔族ではない。大体、魔族だったら俺はおまえをすぐに殺す!

 そう言いたいが喉を切り裂かれているために言えない。

「さぁ行きますよ!

『我に託されしは命を育む花。等しく光を放ち我が敵を浄化せよ』」

 彼の後ろに巨大な花(薔薇だろうか?)が出現した。そして花びらが開き中から光が飛び出してくる。

 奇跡的な反射力で一つを避けるが無数の光は俺を襲い触れた直後に爆発がおきた。俺は全方向の光の餌食になった。

(痛ってぇな・・・。間違いなく死確実だな)

 そんなことを考えていても光は容赦なく俺を襲う。実際普通の人間なら死ぬだろう。【普通】の人間なら・・・。

「ハッハッハ!愉快だ【疾風のレンホウ】と言われた男をこの私が殺した!ハーッハッハ!」

 相変わらず馬鹿笑いを繰り返すゼシルド。だが蓮崩にはその笑い声は耳に届いていない・・・

 ゼシルドは近くに歩み寄り、焼けた髪を掴み頭を上げる。もはやその目には光がなくただただ屍になった少年がいた。名を蓮崩、年は14、異世界の少年、クローマー。

「ハーッハッハッハッハ!!」

 ただ笑う男に殺された悲しい少年。だが少年は町一つの人間を殺した。そして死ぬことでその罪は消えた。悲しき少年よ。果て無き夢を見よ・・・















ドクン・・・










      ドクン・・・







   ドクン・・・

『小説家になろう〜秘密基地〜』にイラストが載ってあります。

『ひぃ』様と『更妙ありさ』様が描いてくださりました。本当に有難う御座います!!

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