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第22話:疑惑

グロい部分があるので苦手な人は読まないことをオススメします

「くそ・・・!なんなんだこいつは!」

 ギルドステム・ファルクは肩で息をしながら目の前にいる【化け物】を見ている。

 化け物の容姿は人間。だが体色はレーヴェルシティの人間を多く殺しすぎて赤に染まっている。だが瞳の色は黒。

 ・・・レンホウだ。

 だがいつもの彼とは様子が違う。目は虚ろ、長刀には魔導が通っている。言葉遣いは子供のようだ。

「クスクス・・・♪死んで♪おじさん♪」

 蓮崩はギルドに跳びつき刀を振り降ろす。ギルドは持っていた自分の愛武器・【鬼爪】を装着し刀を防ぐ。振りを止められたそれに通ってた魔導は〈衝撃〉。ギルドは後ろに吹き飛ばされた。

「逃がさないよ♪クスクス・・・」

 すぐに蓮崩は足の裏に衝撃を放ち反動で飛んできた。

 ギルドは避けきれず刀に斬られ中から衝撃を放たれ中の臓物をまき散らし絶命した・・・。

「ハハ・・・。ハハハハハハハハハハ♪」

 狂ったように笑う蓮崩の周りには体の原型をとどめていない肉塊が転がっている。目には光が無くただ赤とは正反対の青空を見つめている者もいれば蓮崩を憎むように見ている顔もある。


「!!! つっ!!」

 強烈な頭痛がおき俺は意識をとりもどした。

 「ここって・・・。!!! ギルドステム・・・」

 愕然とした。両膝を折り血溜まりの地面についた。

 ピチャリと音が鳴り我にかえり、声に出し頭の情報を整理する。

「城から帰って、ハウスに行って依頼受けて草原行って・・・」

 それ以降の記憶がない。【欠落】ではなく【無い】のだ。だが【無い】部分は頭に響く声が説明する。

(そこからは僕が出てきて竜を殺したんだよ? だけど、殺したりないから町に来て全員殺したよ♪ 楽しかったぁ・・・。最後の人が一番強かったなぁ。これが君の本当の性格でしょ?)

 違う

(君は人を殺したくて殺したくてたまらないんだ。だから僕が手伝ってあげたんだよ)

 違う 違う ちがう ちがう チガウ チガウ

(どう?血の臭い。人を斬った感触。血の暖かさ)

 実際には俺が斬ったわけではないが斬った感触は体に残っている。刀が骨に食い込みそれを削った感触。骨すらも切るほどの威力をもって振り降ろした力。すべてが・・・

 絶望した・・・。人を殺した。人を斬った。

「ハハハ・・・」

 乾いた笑いをこぼしふらつきながら家に戻る。


「ただいま・・・」

「お帰り♪どうだった?依頼」

 そういう会話がつい昨日まであったのに。もうその声は聞こえない。

 風呂に行き体についた血を洗い流す。血は落ちるが罪は洗い流せない。鼻を衝く鉄のにおいがする。

「くそ野郎・・・」

 シャワーを浴びながら呟く。

「!! そうだ!【アーバス】。あいつの家は離れているから大丈夫のはずだ」

 俺はシャワーを止め服を着替え、情報屋の家【アーバスの館】に走った。走るといっても道を走れば死人を踏みつけて歩くことになるので屋根の上を魔導をかけて跳んだ。


 館に着いた俺は急いで中に入りアーバスの安否を確認する。

 だが、いややはりと言うべきだろう。中はひどく荒らされていた。そして、残骸の上には命なき老婆が静かに寝ている。

 そんなとき頭から声が聞こえた。

(あれ?こんなところに家があったんだ。知らなかった)

「おまえが殺したんじゃないのか?」

(僕は町外れまでは来てないよ。こんな家知らなかったもん)

 声の主は本当に何も知らないらしい。ならなぜアーバスが死んでいる? 不思議に思いアーバスの死体に近づく。

 変わった様子はない。が切り傷が嫌でも目立つ。まるでメスで切られたような傷が。

「メス?メスを使うのは医者だよな?もしかして・・・」

 考えを巡らせていると後ろから声が聞こえる。

「そのもしかしてですよ。レンホウ君」

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