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第20話:別れ

更新が送れて申し訳ありません。なにせ宿題が溜まってますので・・・。作者は学生です。

 歌が聞こえる・・・


 あなたは生きて わたしは死ぬ・・・


 ひどく悲しい運命の唄・・・


 あなたは光 わたしは影・・・


 あなたとわたしはもう会えない・・・


 あなたに会いたい あいたい アイタイ・・・






 「夢の棚、夢の棚・・・」

 俺は、いや俺たちは今吸血鬼の城の図書室にいる。何故ここにいるのかは数時間前に遡る。


 俺たちはハウスに行き100万ギルドを貰った。だが納得いかなかった。奴・・・クリムゾンは

「もう来ない」

と言っただけだ。そして俺は奴に決定打を与えていない。

それは置いといて。

 家に帰った後にプエルが

「あのね、クリムゾンが言ってた【夢の棚・真実の扉】なんだけどたしか城の図書室にあったと思うんだよね」

と言って俺たちはまたこの城に来た。

 この城の図書室は『図書室』とは名ばかりで記録庫のような部屋だ。

 部屋はカビ臭い。だが、本棚が無数にそれも規則正しく並べられていることから図書室と言っている。

「ガイルー。あったか?夢の棚」

 本棚をはさんで向こうにいるガイルに聞く。

「あったらもう呼んでる。早く見つけろ!」

 意味もなく怒られた。そのとき俺の携帯が鳴った。誰だ? と思い通話ボタンを押す。

(あ、レンホウ。ちょっと奥の部屋に来て)

 プエルからだった。奥の扉というのは重要な記録が保管されている部屋だ。ここにあるのは戦争の記録・神話等の本やレポート等が置かれている。

「? わかった。スグ行く」

そう言い電話をきる。

「悪いガイル。俺、奥の扉に行ってくる。プエルに呼ばれてさ」

 そう言って俺は奥の部屋に行った。


 奥の部屋は図書室よりは狭い。というより普通の部屋だ。部屋の真ん中には長テーブルが一個。外が見えないように本棚が並べられている。テーブルにはプエルが座っている。

「来てやったぞ」

 少し不機嫌そうにプエルに話す。

「ありがと。あのさ、夢の棚なんだけど・・・」

 プエルは言いづらそうに口を開く。

「なんだよ? もしかしてここには無いってか?」

「・・・うん。ないんだ・・・」

 案の定。思っていたとおりの言葉が返ってきた。俺は額に手を当てため息をはく。

「正確にはここから行ける【魔界】にあるんだ」

 意味がわからなくなってきた。魔界? じゃあ、プエルは魔界に行くってことか?

 頭の情報処理がオーバーヒートをおこしそうだった。なんとか整理できた頭を軽くはたきプエルに聞いた。

「じゃあ、行く準備をしろって事だな。じゃガイルにこのことを言ってくるぞ」

「待って!ガイルに言わないで」

 プエルが俺の手を取り止める。

「ガイルだけ留守番か? それは可愛そ !?」

 可愛そうだろ? そう言おうとしたらプエルが腕を引っ張り俺はバランスを崩した。その刹那、プエルが俺の唇を奪った。

 短い接吻が終わりプエルが口を開いた。

「これはあたしの問題なの。あたしだけで魔界に行く」

 強気な口調だがその目には涙がみえる。

「だけど・・・  !!!」

 引き留めようとしたが腹に衝撃をくらい俺は意識を失った。

「ごめんねレンホウ・・・。あたしは魔族だから・・・」

 悲しげな言葉を言い残し彼女は消えた。そして、俺が彼女に会うことはもうなかった・・・。




もう会えないのだから・・・




頭の中に歌が聞こえる・・・

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