第2話:不安
「聖!!」
大声を出して俺は起き上がった。
「わっ!!なに!?」
俺と同じ年くらいの女の子が驚いてこっちを見る。
「あれ?俺なんでこんなとこで寝てんだ?確か・・・」
俺は、なぜここで寝てるのかを思い出す。
「なんか、面白ぇことねぇかなあ〜?」
と思った。そしたら教室が夜でもないのに暗くなって。
気づいたら、どっかの平原に落ちてて・・・
(そこからどうなった?)
俺が思い出してる最中に女の子が話かけてきた。
「ダイジョブ?」
女の子は心配そうに話す。
「頭がフラフラする・・・」
俺は意識もまだハッキリしていない。
「はい。水」
女の子は水を渡してきた。
「ありがと・・・!!!ニガッ!!なんだこの水!!?」
あまりの水の苦さに吐き出す!
「アハハッ♪ホントに飲むなんてね♪」
女の子は無邪気に笑う。
(この女・・・泣かすぞ!!)
これが、俺の頭に思ったこの女の子の第1印象だ。
「あ、そうだ。あたしはプエル。あんたは?」
「蓮崩・・・」
怒りを抑え話す。「レンホウ・・・珍しい名前だね」
プエルは虎視眈々と話す。
(珍しい?おれからすりゃ、〈プエル〉って名前が珍しいけど・・・)
(ここって、外国か?)
様々な事が頭に浮かぶ。
「ところで、なんでレンホウはトルナ草原に倒れてたの?」
プエルが言う。
「トルナ草原?なにそれ?」
俺は、意味がわからずプエルに聞く。
「え・・・?嘘でしょ??なにって・・・」
プエルは驚きの表情を隠しきれていない。
「いや、だからトルナ草原ってさ〜・・・」
俺は聞き返す。
「もしかしてあんた、異界人?」
プエルが困惑の表情で俺に聞く。
「は?バカ?俺は日本人」
おれは、すぐさま言い返す。
「ニホンジン?あんた、レヴェル人じゃないの?」
プエルが言う。
「は・・・?」
気まずい沈黙が二人を囲む・・・