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第18話:討伐

城での出来事から約一ヶ月が経った。この一ヶ月の間に俺はAクラスにまで上がった。

あの一件以来プエルは明るくなった。

ん?父親を殺したから暗くなるはずだって?それがプエルはこう言ってくれた。


「あのね、お父さんやあたし。つまり魔族はこっちの世界じゃ死なないの。魔界に強制的に戻って力を蓄えるのよ。3年くらい」

ものすごいアバウトな説明だった・・・


朝、俺は食事当番だったため早く起き朝飯を作った。

といっても簡単に白米と味噌汁。それにオカズを3人分。

しばらくすると寝ぼけ眼でガイルが起きてくる。ちなみにガイルは寝ぼけていると普通の子供のしゃべり方になる。いや、戻るといったほうがいいのか?

「おはよぉ〜〜・・・。あれ?プエル姉ちゃんは?」

とまぁ、こんな感じに。最初聞いたときは持っていた味噌汁鍋をひっくり返すぐらい驚いた!

プエルは朝の寝起きは最悪だ。このごろは

「プリンってカッコいいよねぇ〜〜・・・」

という訳のわからない寝言を言い出すほどだ。仕方がないから俺が起こしに行くことになる。


プエルの部屋はまさに女の子という感じの部屋だ。説明しづらい・・・。

「プエルー。朝だぞー。おーきーろー!」

「あとごふん・・・」

ベタだ・・・。まぁ五分も待ってるほど俺は優しくない。

「早く起きないとスゴイことするぞ?」

「すごいことってどんなことぉ〜・・・」

別に考えていない。けど早く起きてほしい。

「キスしてくれたら起きるかもぉ〜・・・」

何を言っているんだこの吸血鬼。へたにキスして血ぬかれたらどうする。

そう思いながらもプエルに近づく。

「キスしてくれるのぉ?」

(能力変換〈音〉・・・)

そっと呟く。そして

「トリス!!」


コケコッコーーー!!!!!


「うひゃあ!?何!!フギャ!」

あたりに鶏の鳴き声が大音量で響きわたる。

「おはよう。寝ぼけ吸血鬼」

軽く皮肉を入れ朝の挨拶をする。プエルは驚きのあまりベッドから落ちたようだ。

「痛ったたた・・・。なにすんのレンホウ!」

「すぐ起きないおまえが悪い」

そんな会話を少しした後、部屋を出て食卓に向かった。食卓にはガイルがテーブルに突っ伏して寝ている。

こいつもか・・・。ま、ガイルは子供だからな・・・。

大人からみればプエルも子供だが俺と同じ年なので容赦はしない。

「ガイル。寝るな。飯食うぞ」

まぁ、そんなこんなで一日は始まった。

ピリリリ・・・ピリリリ・・・

珍しくクローム用の携帯が鳴り出す。携帯を取り通話ボタンを押した。

『レンホウ君か?』

「はい。そうですけど・・・。どうしたんですか?」

電話の相手はクローム全権指揮のギルドステム・ファルクからだ。

『いや、他の二人に言えばわかると思うが〈クリムゾン〉がダルナ山脈に現れたんだ』

「くりむぞん?」

その単語を聞いた二人は驚いていた。

『あぁ。全クローマーはそれを討伐してくれ。報奨金は100万ギルドだそう』

「わかりました。この依頼にクラスは関係あるんですか?」

『Aランク依頼だ』

「了解。じゃ失礼します」

そう言い携帯をとじる。

二人を見るとなにやら討伐の準備をしている。やる気マンマンだな・・・。

「なぁクリムゾンってなんなんだ?」

「竜よ。人語を話せる」

「あやつは別名や異名が多すぎるからの。体色があか色なのでクリムゾンと呼ばれている」

「他にはどんな呼び名が?」

「竜帝・神竜・紅の牙そして、烈火・・・」

烈火・・・。その名前には聞き覚えがある。俺は小さい頃親が移る度名前が変えられていた。そして、毎回つく名前が烈火・・・。

俺はその名前がイヤで蓮崩に名前を変更した。が元の名前は烈火だ。このことは俺以外は誰も知らない。

「ダルナ山脈だってよ。クリムゾンがいるとこ」

俺は二人に教え、行く準備をする。と言っても別に服も恥ずかしくない程度のものを着ていけばいいだけ。

準備が終わり俺たちは北。ダルナ山脈を目指す。


山についた俺たちはひとまず休んだ。竜の気配もしないから安心だろう。

休んでいるときに他のクローマーにいちゃもんつけられるのが気にくわないが・・・

「どうした僕たち?早く帰ったら?」

うぜぇ・・・

「あらぁ、子供じゃない?あなたたちこんなとこにいちゃダメよ?あら?クローマー?ごめんなさいね」

うぜぇ!

「死ね!クソガキ!」

うっぜぇ!!もうダメだ。殺す!

「やめなレンホウ。無駄に体力使うよ?」

プエルに止められた。まぁそうかもしれないから休んでおこう。

「レンホウ!?もしかして疾風はやてのレンホウか!?」

「なにそれ?」

俺は驚いているクローマーに聞く。すると

「クローマー内で噂の男さ。たった2ヶ月でAランクまで上り詰めた男ってな」

そうだったのか・・・?知らなかった。

男に悟られまいと無表情で考えていた。その時!

(ウワアァァァァァ!!!)

(ギャアァァァァ!!!!)

悲鳴が聞こえる。竜・・・クリムゾンに襲われたのだろう!俺たちは急いで山を登る。

「能力変換〈身体強化〉トリス」

「能力変換〈身体強化〉ブルー・レスト」

「能力変換〈身体強化〉ダスクドル」

俺たちは魔導を自分にかけ山を登っている。最近知ったことだがガイルも魔導が使えるらしい。子供は集中に時間がかかるから使いづらいらしいからあまり使わないとガイルは言っている。

「たく、なんだって山の入り口で休んでたんだ!」

軽くグチをこぼす。

「いいから急ぐ!」

プエルに怒られた・・・。

人が多くなってきた。もうそろそろつくのだろうか?

そんなことを考えていたら上から岩が降ってきた。

「くっ。変換〈衝撃〉トリス!」

魔導を変え岩に衝撃を当て粉砕した。しかしまだ岩は降ってくる。

「埒があかんぞ?」

「確かに・・・。ここからは歩いていこう。岩を避けながら」

プエルが言う。そういえば〈情報屋〉アーバスに聞いたことがある。山には〈岩降地帯〉といって岩が無数に降る場所があると。

そんなことは関係ない。今は一刻も早くクリムゾンのもとへ行こう。

そう思い俺たちは岩降地帯を走り抜ける。

今作者は夏休みの宿題におわれています・・・


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