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第10話:クラス昇格(前編)

俺がここ〈レーヴェル国〉に来てから、1ヶ月がたった。

「今日はどんな依頼が良い?レンホウ」

「どんなって、俺さクローマーになって1ヶ月なのにいまだにFクラスなんだけど・・・」

そう。俺は自分の仕事ではなく毎回プエルやガイルの依頼の付き添いだけをやっていて、まだ1回もFクラスの依頼を受けたことが無い。

「ならば、クラス昇格をするか?今のお主ならばCぐらいにいけるが」

ガイルが言う。

「そうだね。今のレンホウならCクラスぐらいにはなれるよ♪」

「昇格ってどうやってなんだ?」

俺は二人に聞く。するとプエルは

「クロームハウスに行って受付の人にクラス昇格したいって言えばオッケーだよ♪」

と簡単に説明してくれた。

「しかし、どんな内容かわからぬから〈アーバス〉に聞いておくのが良いじゃろ」

「〈アーバス〉?」

俺はガイルに聞いた。

「うむ。情報屋じゃ。ほぼ確実な情報を売ってくれるぞ。わしらも信用している」

「へぇ・・・。じゃ、行ってみようぜ」

俺は二人に道案内を頼んで家を出た。


家を出て10分ほど歩いた所にポツンと一軒家があった。

「ここが情報屋〈アーバスの館〉だよ」

プエルが家を指差しながら言うが、とても館には見えずただの小ぢんまりした家だ。

「じゃ、早速行こうぜ?」

俺は家に入ろうとしたが二人はその場に立ち、動かない。

「どうした?行かないのか?」

「館には独りではいるのがルールなの。」

「うむ。我らはここで待ってるぞ」

そう言って二人は手を振った。

(そんなルールあんのか・・・)

俺はそう思いながら館?に入った。


中は(中も)案外普通の家のつくりで物珍しいものもなかった。

俺が独りで待っていると奥から1人の老婆が歩いてきた。

「この私に何のようかね?異世界のお方。今はあの二人と暮らしているんじゃろう?」

「っ・・・!!!なんでわかるんだ?」

「私は情報屋ですよ?それくらいの事など・・・

さて何が知りたいのじゃ?」

不思議な気配がある老婆〈アーバス〉に俺は知りたいことを話した。

「ほぉほぉ。E・D・Cの昇格テストの内容が知りたいとな・・・

いいでしょう。教えましょう。まずEに上がるテストの内容はすなわち、戦闘能力の高さです。つまりは、戦闘ですね」

(まんまじゃねぇか・・・)

俺は本音を言いたかったが言わなかった。

「次にDに上がるために必要なのは瞬発力です。これも戦闘ですね・・・」

俺は軽く腹が立ってきた・・・

「最後にCに上がるために必要なのは魔導の強さ、精神力の高さです。実質この昇格が一番厄介と言う声が多数ありますね。

ま、このくらいでしょうか?」

俺は参考になったのか、ならないのかよくわからなかった。

しかし、情報をくれたことには感謝したように見せるため軽く会釈をして店を出た。ここは初回のみ無料らしい。(クローマー限定)


外に出るとプエルが

「どうだった〜?有力な情報は教えてもらった?」

と聞いてくる。

「あぁ・・・。まぁな〜・・・」

俺は適当に返事をする。

「ではクロームハウスに行き昇格テストを受けに行け」

ガイルが小さな手で俺の背中を押した。

「そうだな。一応情報は貰ったんだし」

俺たちはクロームハウスへ向かった。

俺たちはハウスへ着き中に入って、受付の男に

「昇格テストを受けたいんですが・・・」

と言った。

「クローム番号。名前。クラスを言ってください」

男は相変わらず感情が無い。

プエルから聞いた話では魔導で動いているらしい。

「クローム番号・・・。あれ?俺何番だったっけ?」

俺は自分のクローム番号を忘れていた。

ガイルは頭に手をやり、プエルは

「バカ?」

と言わんばかりの顔をしていた。

「あなたがお持ちになっているクローム用の携帯電話をお見せください」

受付の男は俺に携帯を出すように言ってきた。

「あ、そうか携帯に書いてあったっけ。

え〜と・・・8403番です。名前はレンホウ。クラスはFです。」

「承りました。では準備をするので少々お待ちください。

準備が完了したら呼びますので、あちらの扉に入ってください」

男はそう言うと扉の奥に行った。

俺はガイルとプエルに怒られながら待っていた・・・

「まったくクローム番号忘れるクローマーなんか聞いたこと無いよ?」

「そうじゃ!!お主はバカだと思っていたが、まさかこれほどとは・・・」

(そんなに怒られるようなことしたか?俺)

俺は説教に耐えながら準備完了の知らせを待っている。そのとき

「レン・ホウ様。準備が完了しましたので、そこの扉から中にお入りください」

(やっと、呼び出しだよ。ようやく開放される・・・)

俺は急ぎ足で扉に向かった。すると後ろから

「早く終わらせてきなさいね〜!!あなたなら楽勝のはずよ〜」

プエルの声援が聞こえてきた。そして、ついでに聞こえてきたものはガイルの声で

「帰ってきたらまたみっちり説教をするから覚悟することじゃな〜」

俺は、(うわ〜・・・ゆっくり帰ってこよう)

俺は心の底からそう思い、扉を開け奥に入っていった。

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