友人?
部屋の明かりがついていた。
目の前にいる友人は、いつもより胸が豊満だった。
…え…E型装備?
──驚いて、言葉が出てこない。
友人(?)は、体重3桁の様子にイラついて、口を開いた。
「…おい…デヴ」
「……?」
「さっきお前、ワザとぶち当たって来ただろう?」
「えっ?…い、いや…違います…」
「……ああ、そうそう。」
友人(裏?)は、体重3桁の顔へ少しずつ、般若顔を近づけていく。
「…さっきお前に助けて貰ったんだし、お礼しないとなあ?」
「え?」
──パアアアアン
部屋に、肉を打つ爽やかな音が響き渡った。
体重3桁は、頬に重い平手打ちを頂いて、背中をゾクっとさせた。
「…お前の顔、何で出来てんだよ?…痛ってえ。」
「……。」
「……ああ、そういえば少し前、この部屋から出て行った女は誰だ?」
「……?」
「この顔と同じ顔が、ココにいたんだろ?」
「う…。」
友人(裏)は、体重3桁の顔に鼻が触れそうなほど更に顔を近づけ、低いガラガラの声で聞いてきた。
煙草の臭いが気になった。
「どうなんだ?…おい。」
「……生き別れた双子とか…」
「いねえよ、そんなの。」
「……。」
「それより、ヤッたのか?…ソイツと。」
「いえいえいえいえ…してないです…」
「…だよな。そんな趣味の奴いるわけないしな。ソイツ、拒否してただろう?」
「……。」
友人(裏)は、体重3桁から顔を離し、ポケットから煙草の箱を取り出すと1本くわえた。
そして、他のポケットからライターを探していたが、無いようだった。
「火、ないか?」
「ガスコンロぐらいしか…」
「ちっ」
「……。」
友人(裏)は、台所へ行きコンロを点火させようと、暫くの間カチッカチッとスイッチをひねっていたが、突然キレてコンロに蹴りを入れた。
「つかねえぞ、コレ。」
「コツがあるので…」
「ちっ」
「……。」
友人(裏)は、そのまま部屋を出て行った。
……ふぅ
──窓の外は、まだ暗かった
窓ガラスに映る体重3桁の顔は、悲しそうに見えた。
……?
その姿の後ろに、誰かが立っていた。振り向くと、貧弱な体格で、弱々しい雰囲気の友人が此方を見下ろしていた。
友人は、その場に正座すると、無表情で体重3桁を見たまま暫く黙っていた。
……?
──友人が、気味の悪い笑みを浮かべた。




