酒村ゆっけ著 無職、ときどきハイボール 読んだ
概要
本の題名「無職、ときどきハイボール」
著者 酒村ゆっけ ダイヤモンド社 本文205ページ イラスト しおひがり
構成
酒村ゆっけのエッセイ集である。食と酒に関する内容で、誰もが知り、行ったことのある外食チェーンやコンビニで酒村自身が酒と食を楽しむ様子、そこでの感想などがつづられている。
この本の面白さ
酒村の個性からひねり出された、文章の表現や内容が面白い。酒村の文章の面白さは、比喩、擬人化、諧謔映画、マンガ、ゲームなどの広範囲な引き出しにあると思う。
独特な比喩の一例「ネガティブなことが脳内を京王ライナーくらいの速度で駆け巡るのだ」本書p75とか、酒彼氏という名言、ハイボールはベストパートナーなどは擬人化とも言えるし、アルコールの海の人魚姫とか、発想がひどく面白い。無職云々、人生での失敗談などユーモアも動画の視聴者ならまたかと思いつつも、おもしろく思ってしまう。サブカルの広範囲な引き出しや、収集しているグッズは自分は良くわからないこともあるが、良く知っているなと感心させられることも多い。
それと肝心なことだが、酒や食が好きな人なら、本書は多くの人が楽しめるのではないかと思った。ハイボールの後腐れのなさ、サイゼ、バーミヤン、ガストなどでの呑みは自分とはメニュー選択が違うけど、頷ける話である。野郎ラーメンのくだり、炒め野菜、アキバで食べたことも思い出したし、自分としてはこの話は面白かった。
蛇足
食と酒をめぐる自由は個人にとって大事なことではないか。改めてそんなことを思ったりもした。何を飲み食べるかは自由、無職もある種の自由、可処分時間も自由の一つである。改めて思うに、健康にある程度、恵まれれば人生はそんなに長くもないが、短くもない。酒村が自らの無職の境遇をユーモアでいじりつつ、この自由の中で、食と酒の自由に気づき、楽しもうとする姿は、自分と重なって良いんじゃないかと思った。
ゆうまでもなく、酒に関する思いや感想は人それぞれ、人を不幸にする酒もある。一人でも誰かとでも楽しく吞むのが一番いいと改めて思った。




