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女神皇主の受難〜十年探した初恋の王子に死ぬほど溺愛されています〜  作者: 如月ニヒト


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一時の安らぎ

 人化したドラゴンたちを部屋に入れ、一緒に昼食を食べることにした。シャリーアをカウチで隣に座らせ、レギアスを斜め隣のソファに追いやる。

 人をさんざん弄んで満足したのか、不服そうにしながらもレギアスは素直に従った。

 くつろぎながら焼きたてのパンをつまみ、シャリーアに話の続きを聞く。


「えっと、ドラゴンの姿の大きさは同じくらいだけれど、二人はそんなに歳が離れているの?」

「私はこれでも百年以上生きてますわ。それに対してヴァルグ様はあなた方と同じ18歳です。お話になりません」


 シャリーアがふんっとヴァルグから顔を背けた。

 ヴァルグを見ると、もう気にしたふうもなく食事に夢中だ。子供らしくて可愛い。

 

「ドラゴンって何千年も生きるのだものね。スケールが違いすぎて人間の感覚ではわからないわ」

「ヴァルグは竜王の子供だから生まれついての力が強いんだ。力の強いドラゴンはたいてい体も大きくなるから子供のうちしか騎乗は難しいんだよ」


 竜王、神代から生きる神に連なるもの。

 この可愛らしいヴァルグが数千年も生きるのだと思うと不思議だ。

 

「じゃあ竜騎士が乗っているドラゴンは力が弱いか子供のドラゴンなのですね」

「あと雌も体は少し小さいことが多いな。でも雌は卵を育てるために攻撃より守りの性格が強いから、騎乗にはあまり向かないんだ。シャリーアみたいなのは珍しい」

「珍しいのですね、さすがシャリーア」

「ああ、大きさの割に強いし見た目も能力も特殊だし、何より好戦的だな。さっきからまた俺と戦いたくて仕方ないって顔してる」


 確かにレギアスを見る目がギラギラしていてちょっと怖い。


「そういえば、昨日は私が気絶してしまって勝負が流れてしまったものね。ごめんなさいシャリーア」

「主様のおかげで力が強化されて、感謝でいっぱいですの。また近いうちに一緒に戦いませんこと?」

「ええ、次こそはレギアスを叩きのめしましょう」


 本当に、本当にこの男は叩きのめしたい。完膚なきまでに。二度と立ち上がれないくらいに。

 

「まぁ! 楽しみですわ」

「いや、レティシアが乗ってたら俺は攻撃できないだろ……またやられっぱなしになるだけじゃねえか」


 レギアスなんてお構いなしに、美しい顔を綻ばせてシャリーアが抱きついてきた。私よりさらに胸が大きい。柔らかくて気持ちがいいかも。

 そういえば自分は女の子が好きな人間だと、つい先日まで思い込んでいたのを思い出した。


「おい、いい加減に離れろ!」


 無理やり引き剥がされた。本当に大人げない。

 レギアスの瞳を見て、ふと胸に浮かんだ。


「そういえば、レギアス様はわたくしを自分のものにして、満足しましたか?」

「あ? まあ、いや、もちろん」


 嬉しそうに抱きしめられた。嫌だけど、ちょっとだけ我慢。


「レギアス様のご親戚に、瞳の色が同じ方はいらっしゃいますか?」

「は? あ、あー……。いないな」


 なにか随分と考えたような、変な感じ。

 でも嘘といった感じでもない。レイアの、手がかりだと思ったのに。


「な、なんでそんなこと聞くんだ?」


 なんだか声が上ずっている。やっぱり後ろめたいことでもあるのかしら。


「あの、一人だけでいいので、女性を側室に入れても構いませんか?」

「は?」


 レギアスはフリーズした。

 人を抱きしめたまま固まるのはやめてほしい。


「一人は、誰かもう決まってるのか?」

「はい。レギアス様と同じ瞳の、わたくしの初恋の人を」

「は、初恋? 女が?」

「そうです。わたくし、男性はあまり好きじゃなくて」

「……」


 また固まった。

 すぐに拒絶すると思ったのに、なにやら考えている。

 体温が上がっている? 怒った? いや、そんな感じでもない。


「わかった。その女だけならいい」

「あ、ありがとうございます」


 まさか一度で了承されるとは。いったいどういう風の吹き回しだろう。

 でもよかった。生贄生活に希望ができた。

 これでまだ生きていける。


「えーとあの、そろそろ離してください」

「交渉する時しか触れさせない気か?」

「えーと……じゃあ、今夜、何もせずにわたくしを眠らせてくれるなら、あと五分くらいは」

「結局交渉するのか……わかった。明日は国葬だし、元々そのつもりだった」


 くっ、無駄に五分与えてしまった。

 でも、一昨日の夜もすぐに私を眠らせてくれたし、それなりに気づかいはしているみたい?

 だからといって、反動があれだと……


「主様、主様は私と寝ればいいんですの」

「お前、調子に乗ると本当に殺す! 特にレティシアの女好きが判ったいま手加減はできない」

「ちょ、ちょっと! 女好きとか、失礼ですよ!」


 確かに女の子は好きだ。好きだけど!


「レギアス、余裕のない男はモテないぞ。落ち着け」


 あ、ヴァルグが初めて口を挟んだ。

 レギアスはヴァルグを睨んだあと、また斜め隣のソファに移ってふてくされていた。

 ヴァルグの言うことは聞くみたい?

 ずっと一緒に過ごして、親友みたいなものなのかしら。なんだか二人の信頼関係が伺えて微笑ましいかも。


 そのあとはドラゴンたちと一緒に和やかに過ごした。

 ずっと忙しくしていたから、ゆっくりするのは久しぶりで。

 夜も、レギアスは約束を守って、ただ私を優しく抱きしめた。

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