風変わりな関係者…
この度は、数ある作品の中からこの物語をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。どなたか1人でも、当作品の存在を知っていただけるだけで幸いです。
陽気な声で入ってきた女性(??)は、稲穂と亜都の制止を無視し、ズカズカと奥の厨房へ入ろうとした。
稲穂はかなり焦りながら、その進路を遮るように声を張り上げた。
「お客様、困ります!関係者以外は立ち入り禁止です!」
亜都も同様に焦りの色を浮かべ、前に出て女性に訴える。
「すいません。どうか、店長に用があるのなら、お呼びしますので、先ず、お名前を……」
女性は全く悪びれた様子もなく、むしろ楽しそうに言った。
「大丈夫だって。私は関係者|よ!行ったり来たり、ここのお店に自由に入っていいんだから……。あ、私の名前ね……そうね……」
その騒動に気づき、神那と美琴が厨房から出てきた。
神那は、怒りの声色で問い詰めた。
「あの……お店の関係者と聞こえましたが、一体どなた様でしょうか?」
美琴は、この場の事態を収めようと焦りながら口を開く。
「申し訳ございませんが、私達はバイトな者で、今日はお客さんが多く、店長は厨房で取り込み中で……ちょっと……」
女性は、しばらく間を空け、お茶らけながら宣言した。
「これなら、どう? 私はただの通りすがりのお面ライダーだ!覚えて置け!」彼女は自分で「シャキーン」と擬音を発した。
神那は、その悪ふざけに怒りを募らせた。
「本当にお店の関係者の方なんですか?どなたか存じませんが変な悪ふざけはやめてください」
美琴は神那を制止し、冷静になろうとした。
「神那さん、この……関係者とおっしゃる方から、とりあえず話を聞きましょう」
その時、突如、店の入り口から厨房の方へ駆け足で近づく二つの足音が響いた。
祈里が声を上げる。
「いらっしゃい……理名さん!あと……」
理名は息切れしながら謝った。
「祈里ちゃん、ゴメンね。いきなり走ってきてしまって」
沙希が心配そうな声で尋ねる。
「理名さんとこちらの方は……」
「沙希ちゃんもゴメンね」
理名は、また沙希にも謝罪した。
理名は、そのまま**??**の側に近づく。
稲穂は、その顔を見て嬉しそうに声を上げた。
「り、理名ちゃんだ~!何故、今日はここに?」
亜都も同様に嬉しそうな声を上げる。
「理名ちゃん!いらっしゃいませ~♪」
「今日も稲穂ちゃんも亜都ちゃんも元気だね!」
理名はそう返し、「ちょっと待ってね……」と言って、後ろから来たもう一人の女性に話しかけた。
「ちょっと、こんな人混みの中を、どうしたら、そんな忍みたいに移動できるんですか?」理名は、**??**に問い詰めた。
志織は息切れしながら、??に注意を促した。
「しゃ、社長、何をなさってるんですか?大家さんと話を済ませたあとは全部、前線カフェの事は専務に任せて、それから一度もお店に来たことないなら、バイトの子が**社長の事を知ってるはずはないですよ!」
彼女はしばらく間を空け、呆れた声で続けた。
「それに何ですか……聞こえましたよ!その……『ただの通りすがりのお面ライダー』**って……」
**??**は、お茶らけた口調で反論した。
「志織ちゃん、どう思う?来たことがなくても、何かしらの説明位はするでしょう!私の事を知らないとは……専務の教育不足と見た!」
この騒動と、亀が戻ったことで厨房に誰もいないことに気づき、ようやく**碧海 雫**が厨房から出てきた。
碧海 雫は、美琴に声をかけようとして、その場にいる人物を見て、驚きの声を上げた。
「み、美琴さ……(しばらく間を空け)しゃ、社長……」
美琴、神那、稲穂、亜都、そして**碧海 雫**は皆、茫然とする。
神那は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔で呟いた。
「これが……店長がいつも話している噂の……」
美琴は信じられないといった様子で、問い返した。
「この方が……(しばらく間を空け)しゃ、**社長**さん、なんですか?」
稲穂は呆れた声で正直な感想を漏らす。「こ、この**社長**、絶対、あ……アホだ……」
亜都は焦りの声で稲穂に注意した。
「い、稲穂ちゃん。それは……絶対に言っちゃダメ……」
**??**は、後方に移動した稲穂と亜都の方を一度振り向き、その会話を聞いてから振り返った。
彼女は改めて、お茶らけながら宣言した。
「そう、私こそ、この**『前線カフェ』のオーナー。そして、アホではない!私はただの通りすがりのお面ライダーだ!」
彼女はさらに続けた。
「それにしても雫**専務、バイトの子の教育がなっとらん」
そして、決めポーズを取り、ドラマチックに言い放った。
「さあ、お前の罪を数えろ!」と、自身で「シャキーン」という擬音を発しながら…
この度は、私の作品を最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。読書のお一人でも、心に響いて頂けましたら幸いです。




