表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】真説・おとぎ前線 【壱】〜祐徳門前商店街編〜【小説版】  作者: 久遠 魂録


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/117

幕間 狐の嫁入り

この度は、数ある作品の中からこの物語をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。どなたか1人でも、当作品の存在を知っていただけるだけで幸いです。

閑話 狐の嫁入り

場所は佐賀県鹿島市の前線カフェ(ぜんせんカフェ)内。オープンから二ヶ月弱が経過した六月後半、梅雨の時節である。


店内のテーブルには、子狐の姿をした稲穂(いなほ)と、子狸の姿をした亜都(あと)が、あみぐるみの姿で座り、会話していた。

稲穂(いなほ)はふうっと大きなため息をついた。その様子は、状況に対する諦めと疲労感を滲ませていた。


「また、雨……。暇~」

亜都(あと)は窓の外を見つめながら、残念そうな声を出した。「そうね……暇。でも雨でも、この暇は関係ないような……。何で、こんな雨の日でも大盛況な場所があるでしょう?」


「あ~~~。確かにあるね……『ハートの御殿』」稲穂(いなほ)は、ふふふ、と冗談ぽく笑った。それは岩崎社(いわさきしゃ)の摂社(現在は縁結びの超絶パワースポット)のことを指している。


「この**『前線カフェ』も同じくらい、いや、もっと繁盛したらな……。店長が『七福少女えびすちゃん』**の課金アイテムを沢山ゲットしてくれるのにさ!」

亜都(あと)は苦笑した。


「それって、稲穂(いなほ)ちゃんがハマってるスマホゲームね!」

「そうそう!」稲穂(いなほ)は前のめりになった。「なかなかスーパーレアアイテムが出ないのよ! 今、一番欲しいアイテムは**『エステルカリバー』。私は中距離攻撃型のエステルを中心に育ててるからね。でも、いつも、小ボスのムジナにやられっ放し。でも、課金しまくって、『エステルカリバー』**さえ手に入れば……」彼女はクックックと企み笑いを漏らした。


亜都(あと)は、稲穂(いなほ)の純粋な**『欲』**の前に、呆れではなく微笑を浮かべた。「稲穂(いなほ)ちゃん、楽しそうだね」


「ほら、亜都(あと)ちゃんは毎夜、沙希(さき)さんと力の覚醒(かくせい)の修行しているでしょ。その時が暇なのよ!」稲穂(いなほ)は頬を膨らませた。


「お客様でも来れば別だけど……。特に良くオバちゃん達は私大歓迎! 『や~らしかね~』って、褒めてくれるもん。私、ここのお仕事は好きだからね!」


「で、でも……」

亜都(あと)は心配そうに尋ねる。「稲穂(いなほ)ちゃんも祈里(いのり)さんや神那(かんな)さん、美琴(みこと)さんに毎夜、『ウカノミタマ』様の眷属としての指導を受けてるんでしょう?」


稲穂(いなほ)は、鼻を鳴らすように、少し馬鹿にした風な声を出した。


「指導ね……。今は三人とも私の指導どころじゃないみたいで、お休みなんだよね……」


「お休みなの? 修行はお休みなの稲穂(いなほ)ちゃん……」亜都(あと)は意外そうに聞き返した。


「そう……今、三人は毎夜、**『狐の嫁入り《きつねのよめいり》』**の準備をしているから……」

二人はいつものテーブル上から、門前商店街もんぜんしょうてんがいの外の様子を見つめた。外は小雨がばらつき、客の姿は全くない。


「**『狐の嫁入り《きつねのよめいり》』**って何?」亜都(あと)は首を傾げた。


「**『狐の嫁入り《きつねのよめいり》』**っていうのはね」


その時、急に背後から声がかけられ、稲穂(いなほ)亜都(あと)は「わっ」と驚きの声を上げた。二人が振り返ると、そこには神那(かんな)美琴(みこと)祈里(いのり)、そして沙希(さき)の四人が立っていた。


「二人とも、ゴメンね。驚かせてしまって……」|

美琴みことはすぐに優しく謝罪したが、その直後、少しお叱りの声色で神那(かんな)に目を向けた。


神那(かんな)さん!」

神那(かんな)は反省の声を出し、頭を下げた。


美琴(みこと)さん、すいません……」

祈里(いのり)はいつものほほんとした様子で尋ねる。


「二人もどうかしたの?」

沙希(さき)もオドオドしながら、心配そうに声をかけた。


「どうされたんですか? 亜都(あと)ちゃんもとても驚いて……」

「私が亜都(あと)ちゃんに**『狐の嫁入り《きつねのよめいり》』**について、急に声をかけたら、二人も驚いちゃって……」

神那(かんな)が状況を説明した。


「へーっ。亜都(あと)ちゃんは**『狐の嫁入り《きつねのよめいり》』**は知らないんだね~♪」

祈里(いのり)は楽しそうに言った。


「い、祈里(いのり)ちゃん、私も知りません」

沙希(さき)が恐る恐る告げた。


祈里(いのり)は自信満々だ。


「いや、その名の通りだよ。狐が嫁入りするから**『狐の嫁入り《きつねのよめいり》』**♪」

美琴(みこと)は焦りの色を隠せず、訂正する。


「た、確かに祈里(いのり)ちゃんの言う通りではあるんだけど……」

彼女は真面目な顔で説明した。


「この時期に私たち、『ウカノミタマ』様の眷属である狐神(きつねがみ)族内の恋人同士が一斉に結婚式をあげるのよ。合同結婚式ね。バラバラに行うと収集がつかなくなるから……」


「へ~~~え♪」

沙希(さき)は目を丸くして驚きの声を上げた。


神那(かんな)は、付け加えるように説明を続けた。「それで、この時期は**『命婦大神みょうぶたいしん』様……。ちなみに『命婦大神みょうぶたいしん』様というのは、私たち『ウカノミタマ』様の眷属達の総取締役をされている大神様の事だけど……。その『命婦大神みょうぶたいしん』様より、婚姻の儀式を受けて一人前の眷属として認められた者だけが許可を得て、『狐の嫁入り《きつねのよめいり》』**をするのよ」

この度は、私の作品を最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ★★★ブクマ・ポイント評価お願い致します!★★★


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ