サンセット…四ツ時ノ循環…
この度は、数ある作品の中からこの物語をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。どなたか1人でも、当作品の存在を知っていただけるだけで幸いです。
場所は稲荷神社の奥の院前にある小さな広場。時刻は午後六時三十分頃。
奥の院の建物を背に、IS:Tの三柱は、各々ベンチに座り、日が沈みゆく光景を静かに眺めていた。辺りは深く茜色に染まり、眼下には町と山々が広がっている。
白が最初に静かに口を開いた。
「サンセット……。この光景はヘブンにいる時は見れなかった。そして、サンライズも……。常に太陽の光が降り注ぐ明るい世界、それがヘブン、天界……」
紅は、白の言葉に答えるように続けた。
「人間の世界では毎日、日が昇り、日が沈んでいく……。地上に住む神様は、この光景を長い年月見てきたんだ……人間が今の人間として形づくる以前の時代から……」
慶は膝を抱えながら、静かに語る。
「ウチは元はキャラクター人形だったから、白のように古からヘブンに住んでいる神様達のことは分からないけど……。この光景は地上にいる限り、この地がある限りは続いていくんだろうね……」
奥の院から見える町と山々の風景は、夕日の残光によって深く、そして切ないほどに茜色に染まっていった。
「この**『IS:T』で見たこの光景も……違う神様や人間や生き物たちが今日、どこかでみている夕焼けも……皆、同じものだけど、それぞれの中では全く違うものになる……」紅は遠くを見つめていた。
「『神様』と『悪魔』**と同じだよ。美しく見えるもの、醜く見えるもの、見るものによって変化する……」
慶は日本の四季の美しさに思いを馳せる。
「サンセットも……ジャパンの**『4 SEASON』、そう、『四季』の、その移り変わりを直に感じられるのも一つ。世界中に家があるけど、その中でもジャパンが好きな理由は、ウチが、『四季』によって変化する色彩の素晴らしさかな……。誰もが地上のあらゆる場所で、このサンライズやサンセット**を繰り返し見ている……」
彼女はゆっくりと語尾を紡いだ。
「春、夏、秋、冬と季節が変わって、生きとし生けるものたちが生まれ……育ち……そして最後を迎えるその時まで変わることなく繰り返される。ジャパンの四季は一番、それを身近に感じられる場所……」
紅は夕焼けを見つめながら、静かに囁くように言葉を漏らした。
「『四ツ時ノ循環』……」
白は、その言葉に反応した。
「『四ツ時ノ循環』? 女神メルポメネー様が授けてくれた歌……」
「そう、あの歌……」
紅は答えた。
「本来は**『四時』はジャパンの四季**を表す言葉……。循環はそのままの意味。常に終わりなく繰り返されること……」
紅は立ち上がり、静かに歌い始めた。
「過ぎ去る泡沫の日々……入れ替わる四時ノ順環。
織りなす様々な景色……一瞬で消え、同じ彩はそこにない」
慶がそれに続いた。
「人の生き方、皆、様々。人生はまるで四季そのもの。春・夏・秋・冬、過ぎ去ってゆく。季節は巡るよ、皆、四季の旅人。刻の流れも、皆、様々。流れる刻と変わりゆく四季。春、夏過ぎ秋から冬、四時ノ順環……」
白もまた、静かに歌に加わった。
「入れ替わる四時ノ順環。重なり合ってく……それぞれの景色。『一期一会』、出会いも別れも交わり去りゆく四時ノ順環……誰も、四季の旅人……」
紅は、流れる夕日のように、感情を込めて歌い上げる。「流れる刻の長さは千差万別。皆、同じではない。織りなす様々な景色は一瞬で消え、同じ彩はそこにない」
慶もまた、力強く歌う。
「人の生き方、皆、様々。人生はまるで四季そのもの……春・夏・秋・冬、過ぎ去ってゆく……季節は巡るよ、皆、四季の旅人。刻の流れも、皆、様々……流れる刻と変わりゆく四季……、春、夏過ぎ秋から冬、四時ノ順環……」
紅は確信を込めて歌った。
「入れ替わる四時ノ順環、重なり合ってく、それぞれの想い……。『一期一会』、出会いも別れもそれは、定まられた必然的な運命……。誰も、四季の旅人……」
慶は希望を未来へと繋ぐ。
「春に種を撒き、夏に葉を巡らせ、秋に実を成し、冬にその実を(春へと)繋ぐ巡りゆく四季の循環……それはそれは遥かな遥かな遠くまで続く希望の未来へと……」
白は、全員の想いを一つにするように締めくくった。
「入れ替わる**『四時ノ順環』。重なり合ってく、みんなの心、『一期一会』**、出会いも別れも、それは定まられた必然的な運命……。みんな、四季の旅人……」
静寂が訪れ、紅は穏やかな声色になった。
「夕日が地平線へ沈んで行ったね……。帰ろうか、岩崎社へ……」
慶は突然、何かを思い出して声を上げた。
「OHHHHH! プリーズ。ここからまた元の道を帰るのかい?」
紅はクスッと笑った。
「ごめんね、慶。帰りは大丈夫だよ。奥の院から『社通り』をして、そのまま帰れる。この瞬間から、もう、慶も白もこの神社の関係者だからね!」
この度は、私の作品を最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。




