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七夕  作者: 東雲三日月
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七夕

七夕の短編です

 願い事を込めて「三人で仲良く暮らせますように」と書いたのは一週間程前のこと。


 偶然買い物に来ていたデパートのロビーに、赤や黄色、水色や緑の短冊が飾られているのが目に飛び込んできて、迷いもせず一直線にそこへ向かうと、手には黒のマッキーペンと水色の短冊を手にしていた。


 臨月のお腹をしている私は、お腹を擦りながら、もうすぐ産まれてくる赤ちゃんと家族三人で暮らしていく未来を想像しながら短冊に書き込む。


 その後、暫く記した短冊を見つめた後、手を伸ばし紐を結ぼうとしたものの、お腹が苦しくなり笹に上手く結べずにいたせいで、そのままアタフタと時間だけが過ぎていった。


⋯⋯仕方ない、諦めよう!


 妊婦の私は、今無理してはいけないと思い、結ぶのを諦めバックにしまおうことにしたのである。


 ところが、近くに居た歳の召したオシャレな服装のお爺さんが私に声を掛けてくれたのです。


「大丈夫かい、結んであげますよ」そう言う、私の手にあった短冊をひょいっと手に取り結んでくれました。


「あの、ありがとうございました」


「いえいえ、せっかく書いたんだから、飾らないとね」


 そう言って微笑むと、後から来た孫と手を繋ぎ、お爺さんは買い物に行ってしまいました。


 それから一週間後のこと、丁度七夕の夜に寝ていたら破水した私は、そのまま病院へ行くことに。


 ところが、へその緒が絡まってるとのことで普通分娩は望めず、無事産まれるかも危ぶまれたりもしましたが、帝王切開になってしまったけれど、その日のうちに元気な男の子を無事出産することが出来ました。


 それから二週間後、退院が遅くなってしまったのですが、母子共に健康体で退院、そして、出産から五年過ぎた今、短冊の願い通り家族三人仲良く暮らしています。


 あの時、諦めようとしていた短冊を結んでくれたおい爺さんには、とても感謝しています。


 








 

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